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巨人4連覇へラストピースは大竹寛!
不振の2年目を「勝負と雪辱の9月」に。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/09/01 10:30

巨人4連覇へラストピースは大竹寛!不振の2年目を「勝負と雪辱の9月」に。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

今季はここまで2勝3敗と苦しいシーズンを過ごしている大竹寛。しかし防御率は2.55と悪くなく、波に乗れば一気に勝ち星を稼ぐことも充分考えられる。

ノーヒットノーランが潰えても意に介さず。

 5回までノーヒットノーラン。周囲がざわめき始める。しかし、自分の領域を作り出し、好調のバロメーターであるカーブが冴えてくれれば、あとは勝ちにこだわればいい。大竹にとって記録は二の次だった。

 6回、2死から大島に安打を許し、スタンドからはため息が漏れる。快挙達成とはならなかったが、大竹は意に介さずこう述べる。

「いえいえ、特に意識はしていませんでした。ランナーを出してからが本当の勝負だと思っていたんで、絶対に抑えようと」

 その気概は、続く亀澤をフォークで三振と、後続を断ち切ることで証明した。7回も1死から平田良介に安打されたが、森野、エルナンデスを内野ゴロに打ち取った。

「最後まで、という思いは頭にはあります」と大竹に続投の意思は強かったが、7回を投げ切ったところでマウンドを降りた。継投の理由について原辰徳監督は、「最初から7回100球で、と。あとはリリーフに任せてという考えでしたから」と説明した。

原監督も納得の投球で、阪神猛追のキーマンに。

 7回終了時点で球数は89球と少なかったが、3-0と展開は緊迫しており、ノーヒットノーランという記録がかかっていたわけでもない。結果的にマシソン、澤村拓一で試合を締めたことからも、監督の采配は確かだった。

 それでも、その勝利が大竹の好投に尽きることは、指揮官もはっきりと肯定していた。

「本来に近い、メリハリというかね、低めにしっかりとボールがきていましたよね。コンディションが非常に上がっているんでしょう。(16日の中日戦。5回1失点も勝ち星はつかなかった)前回も兆しは見えていましたから、そこから上乗せしたピッチングをしてくれましたね。次に期待したいです」

 現在、チームは首位の阪神に1ゲーム差まで迫っており、セ・リーグ4連覇を視界に入れつつある。だからこそ、原監督も次回登板をほのめかし、大竹も「チャンスがあればしっかりやっていきたい」と意欲を見せる。

【次ページ】 昨年貢献できなかった「勝負の9月」でのリベンジを。

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