野球善哉BACK NUMBER
練習中は欲を持ち、試合では無欲に。
東海大相模の独特なメンタル指導法。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2015/08/19 19:00
「初回の点が非常に大きかった。しかし、それ以上に大きかったのは次の1点」と語った門馬敬治監督。
「東北へ初の優勝旗を!」という抗えない欲求。
東海大相模が5年ぶりに進出した決勝戦の相手は、東北悲願の初制覇に燃える仙台育英である。
「東北へ初の優勝旗」の期待がある中で、仙台育英の佐々木順一朗監督が、常に話していたことがある。
「決勝戦だって意識するなっていっても、決勝戦なんです。それと同じくらい、東北に優勝旗を持ち帰るという期待は、勝ち上がれば上がるほどに出てくる。こちらが思わなくても、自然と思うような環境になっているんですから、そこはしょうがないと受け止めています」
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仙台育英には言わば「東北初の優勝」という避けがたい“欲”がある、ともいえる。「全国制覇を目指してきた」と仙台育英の選手たちが口々に言っている点では「一戦一戦大事に戦う」といっている東海大相模とは正反対の位置といえるかもしれない。
欲を抑えた東海大相模。東北初という宿願に燃える仙台育英。
両者の雌雄はどう決するか。
決勝戦のプレーボールは13時。