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男女バスケが制裁解除後の初試合!
閉じかけた五輪への道を再び歩む。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2015/08/18 10:40
女子のキャプテン、吉田亜沙美は過去に2度五輪予選に挑み、いずれも出場できなかったという経験を持つ。高校時代から代表入りしてきた彼女は悲願を達成できるか。
制裁が下った時に聞かれた「女子だけでも」という声。
そもそも、昨年11月にFIBAから国際試合出場の資格を剥奪された際、多くのバスケットファンから噴出したのは、男子代表よりも女子代表を案じる声だった。すっかり世界舞台から遠のいてるうえに、アジアでも上位に水を開けられている男子に対し、女子は'96年アトランタ五輪、'04年アテネ五輪に出場しており、出場権を逃した北京五輪とロンドン大会もあと一歩のところまで行っていた。
加えて今回は、'13年アジア選手権(タイ・バンコク)優勝という実績を引っさげてのリオ五輪挑戦だ。男子の国内リーグが2つに分裂していることを理由にFIBAから制裁が下った際、ファンから「せめて女子だけでも五輪予選に出場できるようにできないものか」という声が出たのは自然なことだった。
ここで立ち上がったのが、かつてサッカーJリーグで初代チェアマンを務めた、川淵三郎氏だった。今年1月、FIBA主導で設立された日本バスケットボール協会(JBA)改革のためのタスクフォース「JAPAN 2024 TASKFORCE」のチェアマンに就任(5月からJBA会長)。強烈なリーダーシップと実行力で、短期間に一気に改革を推し進め、制裁解除の決定を得るのに成功した。
川淵会長も会場でご満悦の様子。
男女代表がそれぞれ2戦目を行なった15日、会場となった東京・代々木第二体育館で、川淵会長が挨拶のために選手を従えてコート中央に立つと、それだけで満員のスタンドから拍手が起きた。
「女子には3大会ぶりの五輪出場を期待している。男子は非常に厳しいが、10大会ぶりの出場となればファンがどれだけ喜ぶか。(男女)日本代表が力の限り戦い、バスケットを知らない人々にも魅力を示してもらいたい」
川淵会長は女子の1戦目を見た時点で、小気味良いパスワークや正確なシュート技術、そして何より最初から最後まで走り続ける姿に心を動かされ、「バスケットはやっぱり面白いね」と目を輝かせていた。