eスポーツは黒船となるかBACK NUMBER
eスポーツを東京五輪の公開競技に!
ゲームが文化になる準備は整った。
text by
八木葱Negi Yagi
photograph bySANKO.INC/Negi Yagi
posted2015/08/12 10:40
普段はプロ選手が緊迫した試合を繰り広げるアリーナも、この日は和やかムード。お揃いのTシャツを作って出場する気合の入ったチームも。
「eスポーツを東京五輪の公開競技にしたい」
しかし「ファミコン世代」が大人になり始めた今、社会の空気は大きく変わりつつあるのも事実だ。漫画を読んで育った子供たちが大人になった時に漫画が大人の趣味として、芸術として認知されたように、ゲームに対する社会の目も大きく変わりつつある。馬場教授へのインタビューの最後に「夢」について聞いたとき、こんな話をしてくれた。
「個人的な目標としては、eスポーツを東京五輪の公開競技にしたいんです。日本は世界2位のゲーム大国で、公開されているタイトルの数は世界一です。そしてプレーヤーの数も多く、何よりeスポーツは見て面白い競技であり、日本でやることの意義があると思うんです。日本の大きな競技場でeスポーツが競技されている姿、見たくないですか?」
「eスポーツ」が文化になるために、必要なものは揃った。
奇しくも8月8日には『League of Legends』の日本一を決めるグランドチャンピオンシップがベルサール秋葉原で行われ、収容人数500人の会場は立ち見が出る超満員、入りきれなかったお客さんが別フロアのパブリックビューイングにも押し寄せた。配信をリアルタイムで視聴した人数も約30万人に及んだ。
世界大会への切符もかかった3本先取のこの試合は最終戦にもつれこむ大熱戦となり、ファンやチームスタッフの中には涙を見せる人もいた。
この景色が、満員のスタジアムで見られる日は、そんなに遠いものだろうか。
「ゲーム」が、日本で「eスポーツ」という文化になるために必要なものは、確かに揃いつつあるのだ。