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岡崎慎司、史上5人目の4戦連発へ。
6戦記録を持つ男の「気持ち」とは。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/06/16 11:00
日本代表最速で30ゴールを突破し、すでに50ゴールに迫っている岡崎慎司。FWとしてAマッチ最多出場の記録も持っている岡崎だが、連続試合ゴールという記録も手にするか。
岡崎にとってもテーマである「伝える」ということ。
「伝える」ということは、岡崎自身にとっても今後のテーマであるようだ。
「川又とか聞いてくるヤツには、言いますよ。でも今は(若い選手が)何を欲しているのかを見ようかなと思っています。自分のことを知ろうとしていなかったら、個人的に伝えたとしてもあまり意味のないことだと思うんで。いずれ聞かれたら、的確に(アドバイスを)出せるようにしたいとは思っていますけど」
このコラムを書く前に、どうしても話を聞いておきたい人物がいた。
清水エスパルス時代の先輩で、岡崎のプレーに影響を及ぼした佐藤由紀彦である。昨季限りで現役を引退し、今年から古巣のFC東京に戻って普及部のコーチを務めている。プライベートでも親交のある2人だが、最近の岡崎をどう見ているのかを一言聞いておきたかった。
「電話とかしてもオカとはほとんどバカ話しかしないですからね」と佐藤は苦笑いを浮かべつつも、「僕が思うに」と真顔になってから言った。
「最近のオカを見ていると、進化しなきゃいけないって満足することなくずっと模索していますよね。代表でもキャリアをずっと積んできて、はっきり口に出すことも多くなってきたのかなって思う。プレーでも言葉でも示すっていう感じが今のオカにはあるのかな、と」
自信、貪欲、そしてチームを背負う思いを、佐藤は岡崎のなかに見ていた。
過去は3試合連続ゴールが最高。
岡崎自身、国際Aマッチ3試合連続ゴールの経験はこれまで3度あった。
直近で言えば2013年3月、カナダ戦まで3戦連発と調子を上げてブラジルW杯アジア地区最終予選のヨルダン戦に臨み、不発に終わっている。そしてチームも1-2で敗れ、W杯出場決定は先延ばしになってしまった。右サイドで奮闘する岡崎のプレーは光りながらも、チームを勝利に導く活躍はできなかった。「4試合連続」を達成できなかったのは、大事な一戦で勝利に導けなかったのは、チームや個々それぞれのみならず、岡崎自身もまだちょっとした足りない何かが、あったのかもしれない。