リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
今季前に、バルサを去るはずだった。
シャビの「まるで映画」な1年間。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2015/06/11 10:30
リーガを8度、CLを4度、W杯を1度、EUROを2度制したシャビ。彼は、現代パスサッカーの歴史において、間違いなく最重要人物の1人に数えられることになるだろう。
「こんなラスト、想像もしてなかったよ。まるで映画だ」
2日後、カンプノウで行なわれたリーガ最終節デポルティーボ戦に先発したシャビは、試合終了後、地元のファンの前でリーガ優勝杯を掲げた。
その1週間後には再びカンプノウに立ち、アスレティック撃破の笛をピッチの上で聞いて盟友イニエスタと共に国王杯を掲げた。
さらに6月6日のベルリンでも3冠獲得の瞬間をピッチの上で迎えたシャビは、チームメイトに囲まれながら、これ以上ない笑顔でCL優勝杯を高々と掲げた。
「タイトルを獲って有終の美を飾りたいとは思ってたけど、どうだい。カンプノウでのお別れも完璧だったし、パズルの全ピースがぴったりはまったって感じ。こんなラスト、想像もしてなかったよ。まるで映画だ」
確かにできすぎたエンディング。
しかしバルサ史上最も多くの試合に出場し、クラブと代表のプレイスタイル確立に決定的な役目を果たしたスペインサッカー史上最高のタレントにはこれぐらいが相応しい。