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“浦和の”武藤も現在ブレイク中!
興梠と共通する、師と仰ぐ選手とは。
posted2015/06/04 11:20
text by
轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
今、Jリーグの「武藤」と言うと、ブンデスリーガ・マインツへの移籍が決まったFC東京の武藤嘉紀の顔が最初に頭に浮かぶ人が多いだろう。しかしもうひとり、ブレイク中の「武藤」がいる。それが浦和レッズの背番号19、武藤雄樹だ。
今季ベガルタ仙台から移籍加入した26歳のアタッカーは、日本代表経験を持つ選手たちがずらりと並ぶ浦和の2列目でレギュラーポジションを奪取。リーグ13試合に出場して6ゴールと、すでに仙台時代に4年間で70試合かけて記録したゴール数に並んだ。
5月16日のFC東京戦から6月3日の柏レイソル戦までのリーグ4戦連続ゴールは、浦和では福田正博、エメルソン、ワシントン、田中達也(現・アルビレックス新潟)といった“レジェンド”たちに並ぶものだ。自身は「前の選手である以上、どんな試合でもゴールを狙っています。4戦連発という意味では並んだかもしれないですけど、今までにある名前はゴール以外のところでもチームに貢献してきた選手たち。僕は、タイトルを獲るために貢献できればいい」と謙遜しつつ、「今は自信を持ってゲームに臨めている」と、充実した表情を見せた。
浦和のオファーを、誰も信じてくれなかったが……。
仙台でプレーした4年間で、武藤が強烈なインパクトを残したかというと疑問が残る。それは、「浦和からオファーが来たと言ったら、周りが誰も信じてくれなかった」という本人の逸話からも察することができる。実際に今季の補強を見ても、当初は同じポジションの石原直樹や高木俊幸の方が話題になった。しかし武藤は、浦和に来てから水を得た魚のように輝きを放ち始めたのである。
「僕が浦和に来て3、4カ月ですけど、急に技術が上がったとかシュートが上手くなったとか、そういうわけではないですよ。このポジションや戦術にハマったという感触ですね」