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“浦和の”武藤も現在ブレイク中!
興梠と共通する、師と仰ぐ選手とは。
text by
轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/06/04 11:20
“じゃない方”という嬉しくない言葉を跳ね返して知名度を上げてきた武藤雄樹。ロナウドという名前の意味を塗り替えたC・ロナウドのようになれるか。
「応援してくれる人のために」を忘れない。
そこから始まったのは、今をどう生きていくかという日々だ。
「チームから言われたのは、とにかく日々を過ごしてくれということです。練習もできないですし、スタッフにも寮の方たちにも家族がいます。寮生やユースの選手たちで、何とかしてくれということでした。それこそ、みんなで明日のご飯をどうしようかという話です。最初は練習があるのかと思ったんですが、日々を過ごすだけでサッカーをやっている場合ではなかったです」
サッカーどころではなかった日々も過ぎ、Jリーグは再開された。武藤が仙台で過ごした4年間は、キャリアのスタートの4年間であり、復興を横に見ながら過ごした4年間でもある。その日々の存在は今も大きく、「仙台の人たちのために頑張ろうという気持ちは、忘れてはいけないものになっています」と、心の中で大切なものになっている。それと同時に、「応援してくれる人のためにプレーすること、応援を力に変えることを学んだと思います」と、プロのサッカー選手として大きな武器も手に入れた。
今、武藤は日本で最も熱狂的と言われる浦和のサポーターの声援を受けて戦っている。その声を力にする術を持っていることも、浦和でブレイクした要因のひとつと言えるのかもしれない。