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韓国メディアも呆れる柏の勝負強さ。
水原の肉弾戦を封じた“二段構え”。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/05/20 11:30
2ゴール1アシストを決めてアウェーの地で躍動したレアンドロ。試合を通して終始、旺盛な運動量でチームを牽引した。
水原の選手に直接聞いた、柏が強い理由。
同じく試合後の選手取材エリアで、こちらからも水原の選手に聞いてみた。柏が強い理由は何かと。
「(グループリーグで水原が対戦し2勝を上げた)浦和と比べても、ボールをつなぐ技術などに大きな違いはない」
と、チームの重鎮ヨム・ギフンはいう。さらにヨムはこう言葉を続けた。
「ただ柏のほうが戦う気持ちの強さ、フィジカルコンタクトを厭わない気持ちの強さを感じる」
根底にあるものは「気持ち」「闘志」「メンタル」。それは試合前からの意識づけと、やはりクラブとして2012年からコンスタントに大会に出場してきた経験から生み出されるもの。改めて柏の持つ凄みを敵地で感じる一戦になった。
第2戦、変化した鄭大世に警戒せよ!
ラウンド16の第2戦は5月26日、日立柏サッカー場で行なわれる。
ふだんはパスをつなぐサッカーを展開する水原も、崖っぷちにたたされたこの試合では、どこかで必ずクロス攻撃のスイッチを入れてくるはずだ。柏は引き続きこの点には要警戒。
一方でこの日も1アシスト1ゴールを決めた鄭大世の変化した姿にも気を配る必要がある。かつてはゴールへの意識むき出しだったストライカーが、結婚・子どもの誕生もありメンタルが変化。アシストにも力を発揮するようになり、韓国国内での評価を高めている。
さらに一点だけ相手チームをほめるとすれば、左利きを3~4人揃えるチームが繰り出す攻撃は魅力的でもある。Jリーグではなかなか見られない迫力がそこにはある。
柏はホームであっても「割り切って守る」というダブルスタンダードを発揮する場面があるだろうか。しっかりとここのラウンドを勝ち抜き、中東、中国の富豪チームとの対戦も見てみたい。現在の柏レイソルは、そんな期待を抱かせるチームでもある。