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ホタテ漁からSB「勝利の方程式」へ。
今季ブレーク必至の若手・飯田優也。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/03/26 11:40

ホタテ漁からSB「勝利の方程式」へ。今季ブレーク必至の若手・飯田優也。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

今季キャンプ途中には、佐藤義則投手コーチが「ほぼパーフェクトじゃないか。先発で化ければ10勝も狙える」と太鼓判を押していた飯田。

工藤監督「中継ぎで使うにはもったいないくらい」。

 工藤監督は、飯田を中継ぎに転向させた理由に気持ちの強さを挙げつつ、彼の起用法について自らの想いを述べていた。

「ピッチャーに大事なものは『やってやろう』っていう気持ち、負けない姿勢なんですね。彼はそういった相手に向かっていく姿勢をずっと見せてくれていますんで。それは、オープン戦でのマウンド捌きを見ていれば分かりますから。なので、中継ぎでも十分にいけると思って投げてもらっているんです。本人がキャンプから先発を狙っているのは分かっていますし、ないわけじゃないですけど、今すぐ『先発で』とはなかなか言えない。でも、中継ぎで使うにはもったいないくらい、すごくいいピッチングを見せてくれています」

 昨季、不動のセットアッパーを務めた五十嵐亮太が故障で出遅れていることもあり、工藤監督は森唯斗、守護神のサファテとともに「勝利の方程式」の一角に飯田を据えるプランも示唆している。

 チームからの信頼は日に日に厚くなる。しかし飯田には慢心の欠片もない。

「中継ぎのまま安泰じゃないと思っています。常に結果を求められるでしょうし、毎試合投げさせてもらえる以上は、いいものを出していかないといけないんで」

 工藤監督の座右の銘に「前後際断」がある。禅宗の格言であるその意味は、「過去の憂い、未来の心配などを裁ち切り、今に集中して生きていくこと」である。

 反骨のセットアッパーも指揮官の意志を受け継ぎ、今を精一杯投げ抜く。マウンドでは己の矜持をさらけ出し、相手をねじ伏せていくのだ。

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