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「今は自分の存在価値を証明したい」
長谷部誠が得た理想のポジション。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byAFLO
posted2015/03/20 10:40
長谷部誠は、欧州でプレーする日本人の中でも屈指の安定感を誇る選手であり、過去10試合以下の出場で終わったシーズンは一度もない。
「自分の存在価値を証明したい想いが強い」
念願のポジションで試合経験を積む毎日。当然、今までには抱かなかった欲も生まれてくるだろう。
「たとえば、ヴォルフスブルクとやったときは、自分がどれだけできるかというのを証明したいという気持ちになった。そういう意味ではホームでのヴォルフスブルク戦は、恩返しができたかなと。相手を苦しめることができたから」
2月3日のその試合は1-1とドローに終わったが、リーグ2位につける強敵相手に果敢に挑んだ長谷部は、地元紙が選ぶリーグのベストイレブンに選ばれるほどの高いパフォーマンスを披露した。
「今までは、1シーズン通してこういうポジションでプレーできていなかった。だから、今は充実感があります。このポジションでコンスタントに1シーズンを戦える(日本人)選手というのも少ないと思うし、ここで2シーズン、3シーズンと継続して高いパフォーマンスでプレーできれば、本当の実力と呼べるのかなと。今は自分の気持ちの中で、自分の存在価値というものを証明したい想いが強いですね」
年齢的にも、日本人選手として未知の領域に。
ここで改めて、ヴォルフスブルクで過ごした日々について訊いてみる。「サイドでプレーした時間があるから、今がある」という風な当たり障りのない答えが返ってくるかと思っていたが、長谷部の答えは全く違うものだった。
――ヴォルフスブルクでの経験がもたらしたものは?
「多少なりとも、サイドの選手の動きとかを学べたというか……」
――それくらいのことですか?
「あとはやっぱり、ヴォルフスブルクで長い間試合に出られなかったという悔しさ。それが、ある」
――それが一番大きいと。
「そうですね」
――31歳という年齢ですが、ここからやっと始まるという気持ちはありますか?
「年齢の部分で言えば、ヨーロッパの大きなリーグでコンスタントにプレーする日本人選手としては、これから未知の部分へ入っていくのかなぁと思います。ドイツでも、年齢で見られる、判断される部分は多少なりともあると思う。だから、そういうところを打開していくのが、新たな挑戦かなと思っています」