「コンディションはいいから、見ていてよ」

　シーズン前のキャンプ以降、セレッソの前線3トップは助っ人外国籍選手が占め、玉田は控え組に回っていた。キャンプ序盤は軽傷で別メニューだったが、その後は順調に回復していた。

「コンディションはいいから、見ていてよ」

　焦りはないように感じた。

　助っ人陣の負傷や出場停止によって、3月8日の開幕戦・東京ヴェルディ戦とこの大宮戦では先発を果たしている。そして2試合目にしてきっちりと結果を残すあたりに、その役者の健在ぶりを見た。

　この日の2つのゴールは、玉田の武器と自信が詰まっていた。

　8日の東京V戦後、1－1の引き分けに終わった試合を玉田はこう振り返った。

「初めてのJ2での試合だった。やっぱり、J1とは違うなと感じた。相手は自分たちに対しては徹底して引いてくることも多くなるし、サッカーの内容で五分と五分の戦いを狙ってこないチームもきっと多い。

　そういう相手に、自分たちがどうするか。個人の力に頼ることもできるけど、それに加えてチームとして連係して崩していけば、相手は防ぎようがなくなる。今日の試合で言えば、後半は良くなったけど、前半なんかはまだまだ選手の距離が遠くて。それでも少しずつ自分が真ん中、サイドに顔を出して、周囲の選手と絡むことでリズムは出てきた」

「関口とはプレーのイメージが合うという印象」

　連係を密にする上で、玉田は一人のキーマンを挙げた。

　それが、浦和レッズから今季玉田と同じくセレッソに加わった、関口訓充である。

　ベガルタ仙台や浦和ではテクニックを生かしたサイドアタッカーというイメージだったが、セレッソでは今季は4-3-3におけるMF3枚の前方、いわゆるインサイドハーフを務めることが多い。開幕戦でも、他の選手がワイドに張って大きな展開のパスを繰りだそうとしているなかで、玉田は自分の後方にいる関口と何とか絡んでいこうとしていた。

「関口とはプレーのイメージが合うという印象。お互い大柄でもないから、やっぱり連係していってこそ生きる。あとは楠神（順平）もテクニックがあって感覚が合う。何か、面白い攻めをやっていきたいね」

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