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巨人の新ユニフォームがかっこいい!
「歴史の重み」こそが老舗の武器だ。 

text by

中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/03/18 10:35

巨人の新ユニフォームがかっこいい!「歴史の重み」こそが老舗の武器だ。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

新ユニフォームでは、ビジター用の胸に13年ぶりに「TOKYO」の文字が復活した。原監督も「ジャイアンツの原点に近い」とお気に入りの様子だ。

モデルチェンジに理由があるのもわかるが……。

『日本プロ野球ユニフォーム大図鑑』の著者である綱島理友はこう書いている。

「このところのユニフォーム・ブームには正直言って戸惑いも感じております。ユニフォームというものは本来、そう簡単にモデルチェンジすべきではないというのが私の基本的な考え方です」

 同感である。新興球団の場合は女性や子どもにアピールする必要性や、また、ユニフォームを頻繁に変えることでグッズの販売の売り上げを伸ばさなければならないという事情もあることだろう。そこを否定するつもりはない。

 ただし、個人的意見としては、やはり野球のユニフォームは余計な飾りや広告が入っていない、クラシカルなデザインがもっともグラウンドに映えると思う。差をつけるのであれば、シンプルなラインによる意匠と、文字のデザイン程度にとどめてほしい。

 そもそも野球ほど広告色の薄いユニフォームもない。今でこそ当たり前になったが、胸に小さく契約メーカーのマークが入っただけでも当初は違和感があった。前時代的だと言われるかもしれないが、そこに野球文化の美学もある。

今回は、この流れがどうなっていくのか。

 球団創設80周年を迎えた阪神も、今季から白と黒のシンプルなデザインに回帰した。こちらも、やはりかっこいい。伝統球団だからこそ似合うデザインである。

 1990年代の一時期、メジャーリーグの新古典主義の風潮にならい、巨人をはじめとしてクラシカルなユニフォームが流行した時期があった。だが結局はメジャーのように本流とはならなかった。

 さて、今回は、この流れがどうなっていくのか。

 それはさておき、今季はまず久々に花文字の入った巨人の美しいユニフォームを堪能したい。

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読売ジャイアンツ

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