学生最強軍団の猛攻に観客が大喝采を送った！

　直後のキックオフから攻め込んだ帝京大は、ノーホイッスルでボールをつなぎ、WTB尾崎晟也が東芝の廣瀬俊朗、小川のタックルを外して右中間にトライ。松田がコンバージョンを蹴り込み12－31。

　21分、東芝がスクラムから猛プッシュをかけ、CTBカフイがトライを決めて38－12と引き離すが、帝京大の勢いは変わらない。27分には右ゴール前のラインアウトから左オープン攻撃。36分にはこぼれ球を追ったCTB濱野が猛ダッシュで追いついてからの左展開で、WTB磯田泰成が連続トライ。

　素早い出足でボールを確保すれば、すかさず高速パスがワイドに飛ぶ痛快なアタックが続いた。14点差のままタイムアップのホーンがなってからも、自陣に攻め込まれてもタックルでボールを奪い、PKから速攻に出た。

　学生最強軍団がけれん味なく発揮するスピードとスリル、ファイティングスピリットに、秩父宮のスタンドは、やんやの大喝采に包まれた。

「日本選手権で優勝することを目標に設定する」

　ファイナルスコアは38－24。

　学生最強軍団のチャレンジは、ここに終わりを告げた。今季、14戦目で初めての黒星。

「学生には『必ず勝てる』と話して試合に臨んだけれど、勝てるという確信を持って1週間を過ごすことはできなかった。監督の力量が足りなかったということです」

　潔くそう言った岩出雅之監督は、しかし、力の差にうちひしがれたわけではなかった。

「日本選手権でトップリーグに勝つという目標設定では、ひとつ勝ったあと、次も勝とうとするときに準備不足になってしまった。ここで勝とうとするなら、たとえそれが現実的じゃなくても、日本選手権で優勝することを目標に設定しないといけないんじゃないかと思いました」

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