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本田圭佑の発言が和らいだ理由。
「世界一になる」から、等身大へ。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/01/20 10:40
代表のメンバーの中にも、本田圭佑の「雰囲気が変わった」と発言している選手がいる。彼の張り詰めた空気を和らげたのは何だったのだろうか。
意図して硬い言葉を発していたのが、和らいできた。
本田は南アW杯の頃から、日本代表を牽引する存在として硬い言葉を意図して発することが多かったように思う。最近ではそれが和らいで来たような印象を受ける。それは彼自身がプロとしての経験を積み重ねて来たからでもあり、何より昨年1年間の手応えが大きかったからだろう。
振り返れば、ACミランの10番を1年通じて背負った2014年は、本田のキャリアの中でも特別な1年となった。
「このミランの10番をやるというのは、ポジションとしてというよりも立場として、慣れないとやっていけない。それはメディアとのやりとりもそうですし、ファンとのやりとりもそうですし。当然ながら対戦相手、ピッチ上でのこと……。全てあるわけですけど、まあ、自分が求めてここに来たんでね。
なかなかタフな部分はありますけど、割と楽しんでますよ。ええ。やはりこの難しさがないと自分が成長していけないと思うんで、自分はそういうタイプですから。まあ悩みながら試行錯誤しながら、前に進んでる実感があります」
「5段階1を最高とすると4くらい」
移籍当初、結果が出ず批判にさらされたこともあった。その立場の重みを感じたはずだ。インザーギ監督からの信頼を得て迎えた'14-'15シーズン、開幕当初から得点を重ねる好スタートを切った。だが、結果を出せば出すほど相手からのマークも厳しくなり、アジアカップで離脱した時点では6得点にとどまっている。10月19日の第7節ベローナ戦を最後に音沙汰はなし。当然ながら、'14年の自分に対する評価は辛口だ。
「自分としては飛躍というものをテーマにここにきましたので、自分で評価すると5段階で1を最高とすると4くらいになるんでしょうけど。W杯であったり、今年前半のうまくいかなかった時期があったり。後半はね、まずまずとはいってもここ最近は、得点が取れてないという課題が残ってますから」