サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
本田圭佑の発言が和らいだ理由。
「世界一になる」から、等身大へ。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/01/20 10:40
代表のメンバーの中にも、本田圭佑の「雰囲気が変わった」と発言している選手がいる。彼の張り詰めた空気を和らげたのは何だったのだろうか。
「あの、これをホントになんとか乗り越えたい」
とはいえ、前向きではある。
「でもこれを乗り越えれば、仮に他のリーグや他のチームに行った時、こんなに苦労することなく点もとれると思う。セリエAの相手の良さを消すサッカー、毎試合戦術を変えるサッカー。その中で常に自分を出せることがもちろんミランの10番としては求められているわけで、その期待に応えられてない試合は多いですけど。
でも当たり前のように求められて、当たり前のように結果を出さないといけないという風に取り組んでる自分がいるというのも、これまたプラスだと思ってるんで。たしかに壁は大きいですけど、あの、これをホントになんとか乗り越えたいと。それをちゃんと一歩ずつ越えてる実感はあるので、悲観する必要はないかなと思ってます」
本田個人としても、もちろんミランとしても望むほどの結果は出ていない。だが、それでも日々の充実感がストレートに言葉ににじむ。ブラジルW杯前の「世界一になる」というような刺激的なフレーズよりも、最近のコメントのほうが魅力的に感じる上に期待が持てるのは気のせいだろうか。