セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
切り込み、打たせ、自ら決める。
本田がミランで築いた確固たる地位。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2014/10/27 16:30
昨年まで、フィオレンティーナを苦手にしていたミラン。勝利こそのがしたものの、着実に勝ち点1をもぎとり、進歩のあとを見せた。
「後退してはいない。むしろ一歩前進した」
勝ち点1を分け合ったが、ミランの順位は6位に下がった。
「一歩後退したとは思っていない。守備の面で言えば、むしろまた一歩前進したと考えている」
試合後のインザーギは、悔しさを会見場に持ち込まない。現実的に、だが爽やかに言葉を選ぶ。
「もちろん、失点には悔いが残る。だが、フィオレンティーナもCL出場権を狙うチーム。そこと引き分けたのだから良しとしたい。選手たちは、毎試合全力を尽くしているんだ。(観戦したベルルスコーニ)オーナーは、ミランがかつていたところまで戻ることを望んでいる。まだ先は長いな」
試合後のミックスゾーンを「お疲れさまです」とだけ告げて、本田は通り過ぎた。
自らのゴールが止まっても、内容の薄い試合でも、“収穫はあった、次を見ておいてくれ”とでも言いたげに、真っ直ぐ前を向いて歩いていった。