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ドラフトの「上位12人」に自信アリ!
イチオシは九産大の左腕、浜田智博。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2014/10/22 16:30
九州産業大の浜田智博は、大学野球日本代表にも選ばれた期待の左腕。宮崎工業高校時代には指名を受けず、リベンジのドラフトとなるか。
復活を証明した昨夏の甲子園優勝投手、高橋光成。
とはいえ、この2人の潜在能力は他の候補たちを圧している。リスクを踏まえた上で入札する球団は、おそらく複数あるだろう。ただし、安楽投手についてはなにぶん高校生である。体調万全なら即戦力として推せる大器だが、各球団に故障の不安を払拭させるだけのパフォーマンスができなかったのは弱い。ひょっとしたら、繰り上げ1位にまわる可能性のほうが高いのではないか。
安楽投手に代わる存在なのが、昨夏の甲子園優勝投手・高橋光成投手(前橋育英高)である。
彼とても、決して順調にきたわけじゃない。
同期の逸材・安楽智大を意識してしまったのか、昨秋からスピードを欲しがってフォームを崩しているように見えた。加えて、この冬に利き手の親指を骨折してしまった。
投げられなかった5カ月。復帰した春も公式戦の登板を控え、ブルペンで投球練習をするにとどまったが、そのブルペンでもまだフォームも球筋も不安定なままだった。
高橋光成投手が恵まれたのは、復活を証明する場を与えられたことだ。ここが安楽投手とは違った。運があった。
夏の甲子園の後に行なわれた「U-18」だ。しっかり指のかかった速球が140km台を維持して、「投げられます!」と光成健在をはっきりアピールできたのが彼の運だった。
直前になって、明治大の山崎福也株が急上昇中?
私は、意外にと言っては失礼になるが、間際になって“票”を集めるのは、山崎福也(明治大)ではないかと予想している。
とにかく、サウスポーは値段が高い。
それも、各球団がこぞって挙げる補強ポイントの先発タイプのサウスポーだ。
10月18日の土曜日、明治大の先発マウンドに上がっていた山崎福也投手。
そのピッチングの様子はモニターを通して、隣の室内練習場で秋季キャンプを始めていたヤクルトの選手たちの目にとまっていた。
「思ったより力入れて投げてないなぁ……」
モニターを眺めていたある選手のつぶやきが、山崎福也投手の現在の好調を象徴していた。