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VTJの金網で輝いたベテランたち。
宇野薫が語った、“19年目”の未来。 

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph bySusumu Nagao

posted2014/10/10 10:40

VTJの金網で輝いたベテランたち。宇野薫が語った、“19年目”の未来。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

持ち前の粘り強さで脅威の6連勝を果たした宇野薫。2010年以来となるUFC復帰なるか。

「まだ格闘技をあきらめません」

 ベテランの勝利は、若い選手が出世街道を突き進む姿とは違う感慨を観客に抱かせる。“まだ頑張ってるんだ”という驚きと嬉しさ。“生き残ってくれた”という安堵。選手としての“タイムリミット”を意識せざるをえないからこそ、試合を見る際の感情も濃いものになっていく。

 ただ、それが本人の気持ちと同じかどうかは分からない。彼らに選手生活のカウントダウンをしているつもりはないはずだ。年齢を意識しながらも、“上”を目指し続けているからこそVTJという最前線で闘っているのだろう。

 この日は、宇野のデビュー記念日でもあった。1996年の10月4日、彼は桜井速人(後の桜井“マッハ”速人)とプロデビュー戦を行なっている。

「今日で19年目。こんなに長く総合格闘技ができるとは思ってませんでした。でも、まだUFCを含めて、格闘技をあきらめません」

 試合後、マイクを握ってそう語った宇野。印象深いのは「デビュー18周年」ではなく「19年目」と言っていたことだ。彼にとっては、これまでの18年よりも19年目、つまり未来のほうが重要なのである。

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