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CLで価値あるドローは内田のおかげ?
流れを変えた“ボランチ的”センス。
posted2014/10/01 16:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
2週間前、チェルシーとのCLの初戦に挑む前とはずいぶん異なる状況で、シャルケはCLの第2節を迎えた。
ブンデス開幕3試合で1分け2敗だった2週間前、次の試合に負ければケラー監督の解任は避けられない状態にあったが、チェルシーに引き分け、ブレーメンから今季初勝利をつかむと、3日前には宿敵ドルトムントとのレヴィアーダービーを制した。
その勢いに乗って、ホームでマリボルを倒すというのがシャルケの目論見だった。
「内田のように長期離脱していた選手が4日間で2試合を戦ったのだから休みを与えようとするのは当然のことだ」
試合前日の記者会見でケラー監督はそのように語り、内田篤人はベンチで試合開始のホイッスルを聞くことになった。
スロベニアリーグから参戦しているマリボルはグループGの中でもっとも力の劣るチームだ。そんなチームとのホームゲームなのだから、シャルケが優位に試合を進めることは疑いようがないと思われた。
シャルケは“格下”マリボル相手に精彩を欠いた。
しかし、ここ3試合負けなしのシャルケは思うような攻撃を見せられない。引いた相手を前に攻めあぐね、クロスから強引にシュートを狙いに行く場面が目立った。決定機と呼べるのは、26分のフクスのアーリークロスにファーサイドでボアテンクが頭で合わせたシーンくらい。これもゴール右に外れてしまった。
逆にマリボルは、前線に2人を残し、それ以外の選手が自陣の低い位置に下がって守備を固め、カウンターを狙った。クリアボールを2トップがしっかり収められていたため、前半に狙い通りのサッカーが出来ていたのはむしろ、マリボルの方だった。
すると、37分には速攻からのダイレクトパス交換で左サイドを破ると、クロスにボハルが合わせてマリボルに先制ゴールが生まれる。こうして、力の劣るマリボルが1点をリードして試合はハーフタイムを迎えた。
そんなシャルケ劣勢の中で後半開始とともに、ピッチに送り込まれたのが内田だった。