プレミアリーグの時間BACK NUMBER
ハメス、クアドラドにオチョアまで。
W杯で過熱するプレミア移籍市場。
posted2014/07/10 16:30
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
W杯は「サッカーの祭典」であると同時に、サッカー界最大のショーウィンドウ。今夏のブラジル大会でも、にわかに注目を集めた選手たちがいる。例年、移籍市場で積極的な動きを見せるプレミアリーグの各クラブも、もちろん獲得に興味を示している。
ゴールに沸いた今大会で最も目を引いた選手と言えば、コロンビアの若き司令塔ハメス・ロドリゲスだろう。準々決勝敗退までの5試合で6得点。2得点を上げたウルグアイとの決勝トーナメント1回戦では、胸トラップからの左足一閃で、大会ベストゴールの有力候補となる20m級ボレーを決めている。
プレミアの強豪は、22歳の逸材にW杯前から気付いていた。大会期間中に明らかになったところでは、マンチェスター・ユナイテッドは過去に2度、獲得のチャンスを見送っている。昨夏にはトッテナムの監督だったアンドレ・ビラスボアスが獲得希望リストに含めていたと言われるが、最終的に60億円近い移籍金でモナコが買い上げた。
「ブラジル大会の新星」となった現在の査定額は、更にその2倍。それでも、来季からマンUで指揮を執るルイス・ファンハール(現オランダ代表監督)は、フロントに獲得を打診したとされる。得点能力の他、プレーメイカーの基本であるスペース察知能力とパスセンスもW杯の舞台で証明したのだから無理もない。
もっとも、技巧派を自負する当人は、「フィジカル」なプレミアではなく、より「テクニカル」なリーガ・エスパニョーラへの移籍が望み。現CL王者のレアル・マドリー入りが濃厚だ。
コロンビアのクアドラドには60億円の値札が。
プレミア勢の中では技巧派にも好まれるアーセナルは、フアン・クアドラドの獲得に本気のようだ。快足が目を引いた右ウィンガーはコロンビア第2の新星。右SBもこなせることから、バカリ・サニャのマンチェスター・シティ移籍で同ポジションが質と量の双方で心許ないチームにとっては一挙両得の補強となり得る。
但し所属先のフィオレンティーナは、アーセナルが用意した約42億円より20億円近くも多い移籍金収入を狙っていると言われ、獲得交渉の先は長い。