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W杯最大の衝撃、ハメス・ロドリゲス。
ネイマールとの「22歳の10番」対決へ。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byGetty Images
posted2014/07/02 11:40
聖地マラカナンで2ゴールを決めたハメス・ロドリゲスは「ずっとマラカナンで点を取りたいと思っていた。そして今日、それが実現したんだ」と満足のコメント。
ネイマールとの「22歳の背番号10」同士の対決。
6月24日にあったグループC最終戦の日本戦。ベンチスタートだったロドリゲスは、1-1で迎えた後半からピッチに立つと、試合そのものをガラリと変えるプレーを見せつけ、4-1の勝利を演出した。
後半45分、2度の切り返しで吉田麻也を転倒させ、フリーで蹴り込んだ4点目の場面は、心憎いばかりの落ち着きようだった。コートジボワールのディディエ・ドログバが圧倒的存在感で試合を一変させたのに対し、ロドリゲスは純粋にプレーでゲームを制圧していた。
コロンビア対ウルグアイの一戦があった日。リオデジャネイロの中心街やコパカバーナの海岸では「9番スアレス」や「9番ファルカオ」のユニホームを着ている両国サポーターがそこかしこに見られる中、ハメス・ロドリゲスのユニホームはまだ見られなかった。
だが、ギリシャ戦とコートジボワール戦でチームの全5得点に絡み、日本戦でも1得点2アシストを記録したロドリゲスは、前回ベスト4のウルグアイからも2得点を挙げた今、大会前とはまったく別の視線を受けている。
ノンプレッシャーで笑顔を振りまく22歳が今後描いていく絵はどのような色彩を帯びていくのだろう。準々決勝の相手はホスト国ブラジル。プレッシャーにもがきながら、涙を見せて戦うネイマールとの「22歳の背番号10」同士の対決が大いに注目される。