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W杯最大の衝撃、ハメス・ロドリゲス。
ネイマールとの「22歳の10番」対決へ。
posted2014/07/02 11:40
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Getty Images
ブラジルW杯のベスト8が出そろった。決勝トーナメント1回戦ではグループリーグ1位通過の国(ブラジル、コロンビア、オランダ、コスタリカ、フランス、ドイツ、アルゼンチン、ベルギー)がすべて勝ち、グループリーグの勢いがそのまま続いているという様相。ただし、8試合中5試合が延長戦、その内2試合がPK戦というもつれた内容で、優勝候補のブラジル、ドイツ、アルゼンチンはいずれも延長戦の末に勝利するという、薄氷を踏みながらのベスト8進出となっている。
そんな中、早くも「ブラジルW杯の顔はこの男で決まりだ」とまで言われている選手がいる。4大会ぶり5度目のW杯出場で同国史上初のベスト8入りを決めているコロンビアの新星、ハメス・ロドリゲスだ。
ネイマール、メッシを抑えて得点王争いトップを走る。
フランスリーグのモナコからブラジルに乗り込んだ22歳の司令塔は、ここまでの4試合全てでゴールを決め、計5得点の大活躍。得点王候補であるネイマール(ブラジル)、リオネル・メッシ(アルゼンチン)、トーマス・ミュラー(ドイツ=前回得点王)の4得点を抑えて得点ランキングトップに立っている。
ハメス・ロドリゲスの名を世界中に知らしめたのは6月28日、マラカナンで行なわれた決勝トーナメント1回戦のウルグアイ戦だった。噛みつき行為で9試合の出場停止処分を下されたルイス・スアレスを欠くウルグアイは、5バック気味に守備ブロックを敷き、網にかかったところからカウンター攻撃を仕掛けようという作戦。元来、カウンター型であるコロンビアはボールを持たされる格好になり、前半20分に出たスタッツではコロンビアのボールポゼッションが70%となっていた。
地力で勝るコロンビアだが、じりじりするような展開。ところが前半28分、ウルグアイのクリアが小さくなった一瞬、エネルギーを爆発させたのがロドリゲスだった。