nakata.net cafe サンパウロ奮戦記BACK NUMBER
サンパウロのカフェを中田英寿が語る。
日本文化を海外で発信する大義とは。
text by
川上康介Kosuke Kawakami
photograph byKosuke Kawakami
posted2014/07/03 14:20
積極的に店に顔を出し酒を楽しんだ中田英寿。日本にいるときより、酒を飲んだのでは!?
日本酒の豊かな味わいに驚く人が続出!
第1回でも紹介した岡元信シェフが作った日本食、そして第3回で紹介した本格的な日本酒は、多くの客の心を掴んだ。
「これまで日本酒は、寿司を食べるときに気分で飲むくらいで、正直言ってそんなに美味しいと思ったことはなかった。でもここでいろんな日本酒を飲んで、すごく豊かな味わいに驚きました。白ワインのようにいろんな料理に合わせてみたいね」(ブラジル人ジャーナリスト)
「サンパウロでは、日本食も日本酒もブラジル流にアレンジされたものばかり。いままではこんなものだろうと思って、それを楽しんでいましたが、こうやって本格的なものを味わってしまうと、日本が恋しくなります(笑)。でも日本でもこんなに美味しいお酒ばかり揃っている店は少ないんじゃないですか?」(サンパウロ在住の日本人商社員)
ベンゲル、リザラス、三浦知良も気軽に来店。
日本の文化を伝える。それはもちろん重要なことと言いながら、中田英寿は、このカフェの別の意義も感じたという。
「こういう“場所”があるというのは、すごく重要だなと思いました。ここに来れば、誰かに会える。それが日本人のときもあるし、ブラジル人や他の国の人のこともある。でも誰かしらがいて、そこで日本酒のことから始まり、いろいろな話をしていくうちに仲良くなる。ここで出会って、じゃあ次は他の誰それを誘って、別のレストランで食事をしようという話になった人もいます。
オープニングの日にベンゲル監督やリザラズ(元フランス代表)が来てくれましたが、ブラジルに向かう飛行機で偶然会って、『よかったら来てください』とカフェを紹介したら、本当に来てくれた。三浦知良さんもレシフェで会って、店の話をしたら、2日後に立ち寄ってくれた。誰でも気軽に立ち寄れる、美味しい料理や酒がある場所として、いろんな人に興味を持ってもらい、その結果、僕自身も繋がりを増やすことができました。人と人とを繋ぐミーティングポイントとして、大きな役割を果たせたと思います」