セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
W杯に「出なかった選手たち」の今。
バカンスに、ビジネスチャンスも?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph bySports Graphic Number
posted2014/06/27 16:30
ツイッターで、ゴルフを楽しむ写真を公開したテベス。アルゼンチン代表は2試合でグループリーグ突破を決め好調な出だしだが……。
アズーリ復帰の意欲、そしてパオロ・ロッシ。
ブラジル大会予選にも継続して起用され、貢献してきた自負があった。昨年9月の予選ブルガリア戦で、ブラジル大会出場に王手をかける決勝ゴールを奪ったのもジラルディーノだった。
昨季もジェノアで15ゴールを決め、好調を維持していただけに、落選のショックは大きかった。
ブラジルへの未練を断つため、ジラルディーノは家族を連れて、まず短いエジプト旅行へ出かけた。帰国すると、今度はトスカーナの海岸へ移動し、リゾートホテルに腰を落ち着けた。家族と羽を伸ばしながら頭を整理し、TVの前で自分の代わりに招集されたFWたちを応援することにした。
心身をリフレッシュすることで、アズーリ復帰への意欲も湧いてきた。
「ブラジルには行けなかった。でも、フランスがあるさ。目指すは、EURO2016だよ。それに、あと1ゴール決めれば代表通算20得点だ。そしたら、('82年スペイン大会優勝・得点王)パオロ・ロッシに追いつけるんだ」
アラフォーにして得点王に迫ったトーニ。
ジラルディーノとともに、'06年ドイツ大会で優勝した代表のメンバーは、そのほとんどが現役を引退した。ブラジル大会で5回目のW杯出場を果たしたGKブッフォンや今も主力のMFピルロやMFデロッシは、カルチョ史上の特異的例外に他ならない。
少なくなった盟友たちの中で、“アラフォー”ストライカーとなったFWトーニは昨季加入したベローナで20ゴールを上げ、あわや得点王獲得か、という離れ業を演じた。
トーニを擁して、昨シーズンの台風の目となった昇格組のベローナは、最終順位こそ10位に終わったが、新星FWイトゥルベやMFロムロの活躍もあって、EL出場権をシーズン終盤まで激しく争った。大躍進したベローナにとって、この6月は稼ぎどきだ。
シーズン終了後のオフもそこそこに、5月末、ベローナはブラジルへ渡った。