セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
W杯に「出なかった選手たち」の今。
バカンスに、ビジネスチャンスも?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph bySports Graphic Number
posted2014/06/27 16:30
ツイッターで、ゴルフを楽しむ写真を公開したテベス。アルゼンチン代表は2試合でグループリーグ突破を決め好調な出だしだが……。
バカンス先からチームメイトに律儀なツイート。
トーニら一行の目的は、もちろんW杯見物などではなく、フォルタレーザやフルミネンセといった地元のクラブチームとの親善試合を行なうことだった。
中1日で計3試合の強行軍を終えて帰国した選手たちには、一息つく間もなく別の仕事が待っていた。クラブは、旅行代理店とのタイアップ・リゾート企画への交代参加を選手たちへ指示。来季は、'84-'85年の奇跡のリーグ優勝から数えて30周年にあたる記念シーズンのため、すでにシーズンチケット・キャンペーンも実施中。ビジネスチャンスは徹底的に生かすのだ。
商魂たくましいベローナは、大忙しの6月を過ごしている。チーム唯一のW杯組であるギリシャ代表DFモラスのことを気にかける余裕は、あまりないようだ。
「コロンビア戦でジェルビーニョが決めたゴール、すごかったな!」
ベルギー代表から漏れたMFナインゴランは、チームメイトのW杯をバカンス先できちんと見守っている。律儀なツイートはマイアミ発だ。
トッティはなぜかアメリカを満喫中。
半年前ならイタリア代表入りの可能性もあったMFフロレンツィは、NYでアズーリの試合を見た。
DFカスタンやMFバストスのように“帰省中に母国開催W杯を楽しむ”ブラジル人もいる一方で、ローマの選手の多くが、北米でのバカンスをなぜか好んで選んでいる。主将トッティは17日から10日間の予定でNYに渡り、カリフォルニアに移動しながらアメリカを満喫する。
昨シーズン終了直後の5月下旬、彼らはすでに一度、オーランド(フロリダ)のディズニー・リゾートで、ミニキャンプを過ごしている。
新シーズン用ユニフォームも発表され、その席上、トッティは「すごく格好いい。だからこそ、タイトルのワッペンでいっぱいにしてやらなくちゃな」と抱負を語った。
昨季2位躍進を遂げたローマの選手たちは、新しいシーズンへの期待と高揚感を抑え切れないのだろう。