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スペインの1トップ“1番人気”の男。
ジエゴ・コスタとティキタカの相性。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byGetty Images
posted2014/06/12 11:00
記者会見などでも大人気のジエゴ・コスタ。今季リーガ27得点は、ロナウド31点、メッシ28点に迫る3位。今スペインで最もゴールの香りがするストライカーであることは間違いない。
“トーレス派”、“ビジャ派”、“セスク派”もいる。
賛否両論あるものの、“トーレス派”は今も根強い。売りは実績と大舞台での強さ。ミスが多く調子が悪そうに見えても、大舞台で結果を残す強運は健在だ。スペイン人の頭を抱えさせるような驚異的ミスも連発するものの、昨年のコンフェデ杯でも得点王になるなど、信頼と実績のトーレスを推す声は多い。
親善試合エルサルバドル戦、後半からの出場でチームの全2得点を決めたのはビジャだ。デルボスケ監督は「ビジャはスペースが限定された試合では世界有数のFWだ」という興味深いコメントを残している。初戦の相手オランダは5バック採用を公言するなど、スペイン相手には引く相手が多くなる。トーレスやコスタよりも、ビジャが適しているという見方は多い。
例によって“セスク派”もいる。デルボスケは、自身が率いた最高の試合を2012年ユーロ決勝のイタリア戦だとしている。その試合でCFを務めたのはセスクだ。スペインらしさでもある、細かなパスワークを重視するのであれば彼が最適だろう。
国民からも、元選手からも評価が高いコスタ。
しかし現時点での1番人気は“コスタ派”だ。
今季のパフォーマンスではスペイン代表のFW陣の中でも抜きん出ている。6月10日時点の『マルカ』紙のアンケートでも一番人気だ(コスタは108269票でFWで1位。2位のビジャは37994票に止まる)。
元選手からの評価も高い。元オランダ代表FWルート・ファンニステルローイも「スペインにとってコスタの縦へのスピードは大きなプラスになる。縦への意識は非常に重要。彼はボールをキープすることもできるし、裏も狙える。ゴール嗅覚も持っている」と太鼓判を押す。
さらにジエゴ・コスタはマンネリも囁かれるスペイン代表の中で、唯一ともいえる新しい要素だ。2008年以降勝ち続けていることで、悪い意味で型にはまりつつあるスペインに、新たな刺激を与えてくれる存在でもある。