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チアゴ・シウバが語る母国でのW杯。
「僕はネイマールのために死ねる」
posted2014/06/12 10:40
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Getty Images
チアゴ・シウバのインタビュー。
第3回では、ブラジル代表の至宝、ネイマールへの信頼感、そして献身を語ってくれました。 第1回、第2回から是非お読みください。
――ブラジルの民衆は、選手に大きな重圧をかけることで知られています。ワールドカップでは、それが行き過ぎてチームに悪影響を与えることはありませんか?
「すべては初戦のクロアチア戦で明らかになるだろう。この試合が、僕らのワールドカップがどんなものになるかを方向づける。コンフェデレーションズカップがそうだった。初戦で日本に快勝して勢いに乗り、決勝まで一気に駆け上がった。クロアチア戦も、負けや引き分けはまったく考えていない。勝って自信を得る。それだけさ。
ブラジルには、常に勝ち続けることなど不可能だということを理解できない人がたくさんいる。でも僕も、今は負けるときではないと思う。このワールドカップこそは、僕らの人生に訪れた唯一無二の貴重な瞬間であるのだから。自国で開催されたワールドカップで世界チャンピオンになる。僕らの名前が永遠に歴史に刻まれる。これ以上のことが何かあるだろうか。
1950年の代表世代は、その幸運を生かせなかった。今日もブラジル国民は、そのトラウマを引きずっている」
「ブラジルは、どんな大会でも優勝候補だ」
――スコラーリはブラジルが絶対の優勝候補だと述べていますが、あなたも同じ意見でしょうか?
「それはそうだ。ブラジルは年齢別カテゴリーの大会も含め、またそれがどこで開催されようとも、参加するすべての大会で優勝候補にあげられる。それが自国大会とあっては、観衆のサポートが大きな力を与えてくれる。
もちろんだからといって、対戦相手への敬意を失うことはないけれども。特に初戦の難しさはよくわかっている。だからこそ今から覚悟しているし、優勝候補であることの利点をできるだけ生かしたいと思っている」