沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
7年ぶりの牝馬か、超良血馬か……。
見どころ満載、大混戦のダービー。
posted2014/05/31 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
これが最後のダービー挑戦となる調教師もいれば、現役最多の20頭目を送り込む調教師もいる。また、25度目の参戦で前人未到のダービー6勝を狙う騎手もいれば、22度目のチャレンジで初制覇を目指す騎手もいる。さらに、2007年に優勝したウオッカ以来7年ぶりの出走となる牝馬もいる――。
今年81回目を迎える日本ダービー(6月1日、東京芝2400m、GI)は、「競馬の祭典」と呼ぶにふさわしい、見どころ満載の一戦である。
皐月賞馬イスラボニータ、東京コースは大歓迎。
上位人気馬の実力が拮抗するなかでも、実績で頭ひとつ抜けているのは、皐月賞を制したイスラボニータ(父フジキセキ、美浦・栗田博憲厩舎)だ。デビュー2戦目の新潟2歳ステークスこそ牝馬のハープスターに3馬身ちぎられるも、その後、4連勝で皐月賞を優勝。皐月賞は、直線で最後まで伸び切るワンサイドゲームと言っていい強さで、勝負弱いイメージのあった父フジキセキに、種牡馬として初のクラシックタイトルをプレゼントした。
皐月賞までは左回りでしかレース経験がなく、右回りを不安視されていたぐらいだから、東京コースは大歓迎。母の父コジーンという血統背景から距離延長が心配されているが、耐久力勝負にはならない今の東京の高速馬場なら、それはさして問題にならないだろう。
主戦の蛯名正義は、武豊と競馬学校の同期で、デビュー28年目。フェノーメノで臨んだ一昨年は鼻差の2着に泣いた。22回目の参戦となる今年、志願してレース週の本追い切りにも騎乗するなど、悲願の初制覇に向けて、ぬかりはない。