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7年ぶりの牝馬か、超良血馬か……。
見どころ満載、大混戦のダービー。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/05/31 08:00
トゥザワールドの父はダービーのレコードを持つキングカメハメハ、母はオークス2着のトゥザヴィクトリー。ダービーを勝つために生まれてきたような血統だ。
1番人気を争う、あの超良血馬は?
イスラボニータと1番人気を争うのは、エリザベス女王杯優勝のほか、ドバイワールドカップやオークスで2着となったトゥザヴィクトリーを母に持つ超良血馬トゥザワールド(父キングカメハメハ、栗東・池江泰寿厩舎)だろう。
デビュー戦こそバンドワゴンに突き放されたが、その後4連勝で弥生賞を制し、1番人気に支持された皐月賞では1馬身1/4差の2着に敗退。皐月賞の敗因は、ある程度前のポジションをとりに行ったことや、他馬と接触するなどして馬が道中エキサイトしたことか。
それでもきっちり自分の走りをするのが、この馬のいいところだ。池江調教師が話しているように、競走馬としての完成度の高さがレースぶりに出ている。正直、まとまっているぶん大舞台を勝ち切るだけの爆発力に欠ける印象がないわけではないが、3着以内を堅持する可能性が最も高いのは――つまり、馬券の軸として最も信頼できるのは、この馬のような気がする。
鞍上の川田将雅は、先週のオークスをハープスターで獲りこぼしているだけに、期するものがあるだろう。スポーツ紙の写真を見ると、直線でハープスターの左前脚の蹄鉄が落鉄しかかっていたのがわかる。あれがすべてではないだろうが、全力を出し切ることができなかった要因のひとつには違いない。同じ勝負服でリベンジを果たすことができるか、注目だ。
レッドリヴェール、ウオッカ以来の牝馬制覇なるか。
そのハープスターに阪神ジュベナイルフィリーズで土をつけ、桜花賞では首差の2着と接戦を演じたレッドリヴェール(父ステイゴールド、栗東・須貝尚介厩舎)も、十分争覇圏内にいる。
牝馬の参戦は、'07年に、牝馬として64年ぶり、史上3頭目のダービー制覇を果たしたウオッカ以来7年ぶり。阪神ジュベナイルを勝って桜花賞2着という、ウオッカ先輩と同じ看板を引っさげて男たちと戦う。500kg近いグラマーだったウオッカに比べ、こちらは420kg前後と小柄だが、不良馬場の札幌2歳ステークスで牡馬たちを負かしているように、精神力が強く、馬力もある。史上4頭目の快挙をやってのける可能性はけっして低くはない。