自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
今日は寒いから、南へ行こう!?
羽田空港と新幹線車両基地を目指せ。
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2011/01/22 08:01
「産業道路」をGO。
さて、少々、遠回りをしてしまった。そろそろ最終地点を目指そうか。
国道15号線、通称・第一京浜に出て、猛ダッシュで南へ。幹線道路というのは、結局、自転車にとってもスピードが出しやすい道だ。
京急大森町駅の手前で、左に曲がる。この道(国道131号線)の通称が、産業道路。わお、産業道路か。高度成長なネーミングだなぁ。そんな通称の国道がまだあったとは。
して、その産業道路をまっすぐに行くと、やがて環八に突き当たる。ココで曲がらず、次の次の角で曲がるのが、極意(なんの?)。首都高の下「六間堀緑地」というミニ公園を目指して左折すると、弁天橋に直結するわけだ。これを渡ると、空港は目の前。
羽田空港、これまでの常識でいうと自転車でのアクセスが異様に悪いというのが、ま、いわば定説だった。
ところが、国際線の新ターミナルができて、アクセスがよくなった。……ように感じる。いや、なんのことはない。ルートが変わっただけで、実は錯覚である。
何かと言えば、これまで羽田空港に行くには昭和島方面から近づいて(地図で見るだけだと、一見このコースが第1第2ターミナル最短のように感じる)、うひょー、海だ、クルマの専用道だ、自転車で行けないー、ということになりがちだったのが、国際線ターミナル方面からだと、普通に南の方から弁天橋を渡って入れるよ、というだけの話。要は「最初から回り道をしなさい」の、回り道側に、国際線ターミナルができたというだけなのだ。
弁天橋を越えると、まだまだ何だか空き地だらけだな、という風情の風景があり、おおお、まだ真新しい羽田空港国際線ターミナルが見えてくる。
実は、私の妻子が、すでにそのモノレールで来ているはず。
観光地・羽田空港。
いや、スゴい人。
別にここから海外に行く人が多いというわけじゃなく、単に純粋にこの「新羽田空港」を見にきた人が多いと思われる。
その証拠に外国人がほとんどいない。みんな日本人で、おそらく近郊から「新しい羽田を見に行こう、ついでに飯でも食ってこよう」という人だらけなのだ。
そのスゴい人々の中に、二人の息子と妻はいた。何のことはない、私も、私の妻も同類で、単なる見物客、ここにあり、である。
都心からの電車アクセスは、たいそう便利になった。モノレールなら、浜松町から国際線ビル駅まで所要時間わずかに13分。驚くほど速い。ただし「東京モノレール」のロゴマークは、驚くほど昭和のまま。「仮面ライダー」とかとテイストが似てる。
テレビなんかで有名になった「江戸小路」も、ほんとに人でいっぱいだ。和食、イタリアン、焼肉、ラーメン、なんでもござれと、店が並んで、そのいちいちが1時間以上待ち。
「今が一番空いてる時間(16時)だと思ってたのに、やっぱりすごいわね、甘かったわね」
妻の言うとおりだ。これ昼飯時間、夕飯時間だと、どれほどの待ち時間になったりするのだろうか。
ま、それはいい。
今日の目的は、息子(2歳半)に飛行機を見せてやることだ。展望デッキにのぼろう。
おお、見渡すかぎりの空港だ(当たり前)。
広いね、海も見える。まだまだ目の前にあるのは、赤いJALと、青いANAばかりなんだけど、ちらほらとキャセイパシフィックなどの機体もなくはない。都心のアクセスを考えると、やはり、将来的にはここが世界への玄関となるんだろう。
しばらくいると、風が強い。寒い。しかしながら、息子は元気だ。走り回って「ひこき、ひこき」という。
子供は風の子、というか、子供というのはなぜいつもあんなに走りまわることができるのであろうか。
あと、ここはカップル多数。
カップルとガキンチョは、多少の寒さは乗りこえられるものなのだ。