異様なトンネルが300メートル……。

　国道15号線沿いの、ヤマハ発動機販売本社向かいから、まずはJR品川・田町間を横切らなくてはならない。ここのあたりのJR線は山手線、京浜東北線などの通勤各路線から、新幹線まで、ものすごい数の路線が並行して走っていて、線路を越えるだけで300メートルもある。これが異様なトンネルで結ばれていた。

　何が異様って、背丈が異様なわけだ。

　わずかに166cmしかなく、私レベル（171cm）、つまり日本人男性の平均レベルの身長でも、かがまなければ通れない。自転車に乗っていても同様で、思いっきり前傾姿勢じゃないと走れない。ヘルメットをかぶっていることがこんなに安心感を生むかと、ここまで実感した実例を私は知らない。

　写真を見ていただければ分かるが、一般車両にしても、普通のセダンとタクシー（セダン＋タクシー行灯）は何とかギリギリ通れる。しかし、トラック、ワゴンはまったく不可能。軽トラや軽ワゴンでも無理だ。

　東京都心、しかも花の港区に、こんなモノがいまだに残っているとは、と、驚きを禁じ得ない。

　なぜにこんなに背の低いトンネルが存在してるかというと、このトンネルのすぐ地下に旧水路が通っているからだそうだ。上は線路、下は水路と、元々タマランところにトンネルを造ってしまったのである。

　さすがに、2018年完成を目処に改築が決定されたという。このトンネルの北側に新しいトンネルを掘り、高さは3メートルの「普通のガード下」になる。

　ふーん。

　そう言われると、それはそれで今度はちょっと残念な気分にもなってしまう。なんだー、普通になっちゃうのかー、つまらーん。ってね。

　勝手なもんだ。

新幹線も、お疲れモードで。

　そのトワイライトゾーン・トンネル（正式名称は"高輪橋架道橋下"というそうな）をくぐると、そこからなぜか新幹線の線路だけが、二つに分かれて、片や大阪名古屋へ、片や、ただただ東へと繋がっていく。

　並行する道路がないもので、その東行きの新幹線の線路をジグザグに追いすがってみよう。

　時折、高架線路の上をしずしずと新幹線が走っていく。速くない。ふーむ、なるほど。新幹線クンだって、車両基地つまり車両の宿舎に帰るわけで、ああ、今日も1日疲れた、点検修理ヨロシクね、という風情なのかもしれん。

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