ダルグリッシュ退任の場合も次期監督への重圧は消えず。

　厄介なのは、昨季と同じ7位のような、成功でも失敗でもない結果に終わった場合だ。経営陣は、後任へのバトンタッチを望むだろう。ダルグリッシュも「退任が望ましければ身を引く」と、クラブの将来を最優先する意思を表明している。

　しかし、失態を演じたわけでもない英雄がお払い箱となればサポーターが黙ってはいない。彼らは、新監督が開幕ダッシュに成功でもしない限り不満を露にするだろう。その激しさは、ベニテスの後を継いだホジソンに対するものとは比べ物にならないと想像される。正監督候補には、フランク・ライカールト（前ガラタサライ）、ディディエ・デシャン（現マルセイユ）、アンドレ・ビラスボアス（現ポルト）らの名前が挙がっているが、いずれも「ダルグリッシュ切り」に対する非難を免れられるような、リバプールでのステータスとは無縁だ。

　相思相愛の“キング”の復権に沸くリバプール。サポーターの間には“ハッピー”なムードが漂っているが、果たしてシーズン終了後に“ハッピーエンド”は待っているのだろうか？