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ロナウドをさらに加速させる靴!?
ナイキが4年の歳月をかけた新技術。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNIKE
posted2014/05/01 10:50
新たな「マーキュリアル スーパーフライ」を履いて登場したクリスティアーノ・ロナウド。
各リーグの公式球、3Dプリンタ製品も勢ぞろい。
また、ブラジル代表のユニフォームには金のクレスト(紋章)が刺繍され、その裏にはポルトガル語で「Nascido para jogar futebol(サッカーをするために生まれてきた)」という言葉が刻まれている。64年ぶりにサッカー王国ブラジルで開かれる祭典のために、セレソンの国の誇りと魂が込められた。同時に、彼らの攻撃的で華麗なフットボールとナイキの哲学の親和性も表れている。
会場にはユニフォームだけでなく、ピッチ外でも着こなせるアパレル製品やボールも並んだ。マイケル・ジョーダンがブラジル6回目の優勝を祈願したことから作られた「エアジョーダン6」のスペシャルバージョンや、ネイマールなどが使用する世界初の3Dプリンタで製造されたバッグなどが注目を浴びた。
他にもラ・リーガ、セリエA、プレミアリーグ、そしてブラジル代表の公式球でもある「ナイキ オーデム」ボールや、ライフスタイルに特化した新コレクション「NIKE.F.C.」も紹介。NIKE.F.C.は、'94年に発表されたナイキ初のフットボールスパイク「ティエンポ プレミア」からインスピレーションを受けた「ティエンポ94」や、'98年のフランス大会でブラジル代表のロナウドが着ていたトラックジャケットをモデルにした「N98」などを展開する。
ナイキのコアな概念は“複雑なシンプルさ”。
これまでにない規模でプロダクトを一堂に集めた理由を「パワーを感じてほしかった」と語ったマーティン・ロッティは、イベントを通して表現しようとしたナイキの革新性について解説する。
「ナイキのコアな概念は“複雑なシンプルさ”です。遠くからはシンプルに見えて、しかし、近くで見ると様々に複雑な加工がされている。シンプルであるということは同時にパワフルであるということです。
また、古い歴史を尊重しながら、新しさを活かしたい。その対比が豊かな文化を作ると考えています」
約400年前にスペイン国王フェリペ4世によって建立された古き宮殿の一室で、ナイキの最新技術の結晶であるマーキュリアル スーパーフライがベールを脱ぎ、20年間積み上げてきた歴史の集大成が結実した。その鮮やかなコントラストのなかに、洗練されたスタイリッシュさと細部にまでこだわった技術が浮かびあがる。“アツい”夏の大舞台で、業界を牽引してきたナイキのイノベーションが花開こうとしている。