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ロナウドをさらに加速させる靴!?
ナイキが4年の歳月をかけた新技術。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNIKE
posted2014/05/01 10:50
新たな「マーキュリアル スーパーフライ」を履いて登場したクリスティアーノ・ロナウド。
ナイキが誇るフットボール20年の歴史。
ナイキはプレースタイルの異なるプレイヤーが画一的なスパイクを着用することは合理的ではないという考えのもと、個々の特性に合わせたプロダクト開発に挑戦してきた。4年間で手掛けたスパイクは、マーキュリアル スーパーフライを含めて4つにカテゴライズされている。
スピードに特化したマーキュリアル スーパーフライに対して、オールラウンダー系には「ティエンポ(TIEMPO)」を用意。また、ネイマール(ブラジル)のような俊敏性を求めるプレイヤーには「ハイパーヴェノム(HYPERVENOM)」、そしてイニエスタ(スペイン)のようなプレイメイカータイプのために「マジスタ(MAGISTA)」を作り上げた。マジスタはマーキュリアル・スーパーフライ同様にナイキ・フライニットを搭載したソックス型のスパイクで、3月にバルセロナでイニエスタによって発表されたばかりである。
1994年にフットボール界に参入したナイキは、フットボールの進化に合わせて変革を突き進めてきた。Football Innovation Summitはマーキュリアル スーパーフライだけでなく、その20年の歴史を記念して開かれたイベントでもあった。会場には、他社を凌ぐ数のチームキットを提供するナイキのコレクションが陳列された。
累計20億本のペットボトルを再生しエコにも配慮。
初日には、夏のブラジルで提供される、ブラジル、イングランド、フランス、アメリカ、ポルトガル、オランダ、韓国、クロアチア、ギリシャ、オーストラリアという過去最多10カ国のユニフォームが展示された。
クリエイティブ部門の責任者であるグローバルフットボール担当副社長マーティン・ロッティは、代表ユニフォームのキーコンセプトを「パフォーマンス」「環境」「ナショナルプライド」「ソウル」の4つだと説明した。
高温多湿となる夏のブラジルでパフォーマンスを維持するために、彼らの戦闘服には通気性と着心地の良さが追求されている。脇にはレーザーで通気口があけられ、背中部分は編み込みパターンの大小を変えた製法を採用。加えて、汗の蒸散を促す「DRI-FIT」素材が使われている。さらに、素材にはペットボトルを再利用し、環境にも配慮した。1人分のユニフォームに18本のペットボトルが使用され、累計20億本の再生ができたという。