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日本人選手、名門クラブも渦中に。
混戦ブンデス残留争いの行方を占う。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2014/04/26 10:40
攻守ともにチームの中心的な存在だった長谷部誠の離脱はニュルンベルクにとって大きな痛手だった。残り3節、ブンデスリーガへの残留を賭けた戦いが始まる。
史上最速でバイエルンの優勝が決まったブンデスリーガでは、史上最高に白熱した残留争いが繰り広げられている。
一時はブレーメン、フランクフルト、フライブルク、ハノーファー、シュツットガルト、ハンブルガーSV(HSV)、ニュルンベルク、ブラウンシュバイクの8チームのどこが降格してもおかしくない大混戦に陥っていたからだ。
残り3試合となって、残留争いの行方は4チームに絞られてきた。
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15位 シュツットガルト 勝ち点31
16位 ハンブルガーSV 勝ち点27
17位 ニュルンベルク 勝ち点26
18位 ブラウンシュバイク 勝ち点25
リーグのレギュレーションでは16位が入れ替え戦に回り、17位と18位が自動降格となる。
最後までこの争いから目が離せない理由は、残留への希望を捨てたチームがないからだろう。
第13節終了時から最下位に沈んでいるブラウンシュバイクも、決して諦めたそぶりを見せていない。'84-'85シーズン以来となるブンデスリーガ1部の戦いに戻ってきた彼らだが、“自分たちに出来ることをやろう”というスタンスがぶれることがない。
「チームよりも大事な選手はいない」
この考えが最下位ブラウンシュバイクには徹底されている。
最下位でも指揮官を契約延長したブラウンシュバイク。
象徴的な出来事が先週のバイエルン戦の前にあった。
試合に備えてホテルに宿泊した際、チームのアシスト王であるベララビとコレイアが朝食の時間に遅れたために、監督は迷うことなく2人を試合のメンバーから外したのだ。それでも、選手たちからは不満は上がらなかった。
さらに残留争いをしている最中、ましてや最下位にもかかわらず、チームを率いるリーバークネヒト監督との契約延長に合意するという、前代未聞の行動にも出た。今シーズンの戦いのなかで、15位シュツットガルトが2回、16位HSVが2回、17位ニュルンベルクが2回、それぞれ監督を解任しているのとは大きな違いだ。
守備を固めて、ゴール前に人数を割き、カウンターを狙う戦いはどんな時でもぶれない。今から自動降格圏の15位に上がることは難しいが、入れ替え戦にまわる16位に入ったとしても何ら不思議はない。