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ドバイ前哨戦のフェブラリーステークス。
「二強」に割って入る馬は現れるか?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/02/22 08:25
ベルシャザールという名前の由来はバビロニアの王の名から。厩舎の先輩クロフネが果たせなかったフェブラリーS制覇を成し遂げ、ドバイに羽ばたけるか。
昨年の最優秀ダートホースか、交流GIを5勝している猛者か、それとも「シルバーメダルコレクター」からの脱却を目指すあの馬か。2月23日、日曜日。東京ダート1600mを舞台に今年最初のGI、第31回フェブラリーステークスが行われる。
1997年にGIに格上げされてから、今年が18回目。上半期のダート王決定戦として、また、3月末のドバイワールドカップの前哨戦として重要なレースになっている。
ダートGI戦線の特徴は、同じようなメンバーが似たような条件のレースで年に何度もぶつかることだ。JRAのGIはフェブラリーステークスとチャンピオンズカップ(旧ジャパンカップダート)の2つで、前者はマイル、後者は1800m。交流GIは、馬齢戦を除き、さらにスプリント、クラシックなどがあるJBCをひとつのレースとして数えると、川崎記念、かしわ記念、帝王賞、マイルチャンピオンシップ南部杯、JBC、東京大賞典の6つで、距離はマイルから2100mまで(JBCは開催場によって異なる)。
順当なはずなのに、2年連続荒れているフェブラリーS。
何が言いたいかというと、毎度メンバーも展開も同じような「再戦」の繰り返しなので、上位の力関係が明確になり、順当な決着となることが多い、ということである。
にもかかわらず、このフェブラリーステークスは2年連続で荒れており、去年は馬連1万330円、一昨年は1万510円の波乱となった。2年とも1番人気が馬券に絡まなかったからで、去年は一昨年のNHKマイルカップを勝ったカレンブラックヒルが15着、一昨年は前年の覇者トランセンドが7着に終わったがために、高配当が飛び出した。
今年はどうなるか。1番人気はおそらく、昨年ジャパンカップダートを勝って最優秀ダートホースとなったベルシャザール(父キングカメハメハ、栗東・松田国英厩舎)だろう。
3年前のダービーでオルフェーヴルの3着となるなど芝で高い能力を見せていたが、喉鳴りの手術と骨折による14カ月の休養を経た昨春、ダート路線に転向。初戦こそ3着だったが、その後、1-2-1-1着と来て、ダートGI初参戦となったジャパンカップダートを勝ち、頂点に立った。