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ドバイ前哨戦のフェブラリーステークス。
「二強」に割って入る馬は現れるか?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/02/22 08:25
ベルシャザールという名前の由来はバビロニアの王の名から。厩舎の先輩クロフネが果たせなかったフェブラリーS制覇を成し遂げ、ドバイに羽ばたけるか。
おそらく一番人気のベルシャザール、仕上がりは?
「私が管理したクロフネはダービー5着でジャパンカップダートを勝ったので、3着だったこの馬も勝ちますよ」
と松田調教師が話していたとおりの結果になった。父のキングカメハメハも管理していただけに、この馬に寄せる思いは強い。渾身の仕上げで臨んでくるだろう。
すでに3月29日のドバイワールドカップの招待を受諾しており、ここで「日本代表」としての地位を固めるか、注目したい。
ホッコータルマエはドバイの「プレ世界戦」をどう戦うのか。
僅差の2番人気になりそうなのが、昨年の東京大賞典、今年初戦の川崎記念を連勝してここに臨むホッコータルマエ(父キングカメハメハ、栗東・西浦勝一厩舎)だ。
昨年のジャパンカップダートでは2番手から勝ちに行く競馬をするも、ベルシャザールとワンダーアキュートに差されて3着と涙を呑んだ。
ライバルのベルシャザールがそのジャパンカップダート以来2カ月半の休み明けなのに対し、この馬は中3週。順調に使われている強みがある。
だが、交流GIを5勝もしているのに、JRAの競馬場での重賞成績はGIIIを2勝しているだけだ。パワーだけではなく、スピードも問われるこの舞台にどう対応してくるか。
次走はドバイワールドカップを予定しており、ベルシャザールとの「プレ世界戦」が見モノである。
ワンダーアキュート、武豊を背に二強に割って入れるか。
これら「二強」に割って入るとしたら、武豊を背にするワンダーアキュート(父カリズマティック、栗東・佐藤正雄厩舎)か。
昨年のJBCクラシック、ジャパンカップダート、東京大賞典と3戦連続2着。ダートGIの2着が7つもあり、ジャパンカップダートでは3年連続2着という微妙な記録をつくってしまった。しかし、それは安定して高いレベルのパフォーマンスを発揮しつづけていることの証でもある。
武はかつて芝GIの「シルバーコレクター」だったステイゴールドを「切れ者」に変身させて海外GIを制したことがある。ここも、なんとなく好位につけて普通のタイミングで仕掛けるような競馬ではなく、「武器」を引き出す競馬をしてくるはずだ。