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「本田は火星人」の意味すること。
伊紙が指摘する新10番の泣き所。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2014/02/03 12:10

「本田は火星人」の意味すること。伊紙が指摘する新10番の泣き所。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

トリノのCBモレッティから執拗なマークを受け、試合を通して苦しんだ本田。「鳥かごに入れられたように苦しんでいた」と報じたのはトリノの地元紙。

前後左右に伸びたカルテットは、金星と火星の距離だった。

 過去2戦とちがい、ボールを持たないときにカカとの間に入って中継してくれるバロテッリがいなかったことで、本田は右サイドで孤立した。パッツィーニはPA内から動かなかった。

 10番からカカへのパスは通るが、その逆は相手の左CBモレッティとMFマシエッロに封じられた。左に展開するカカもロビーニョとしかパスをつなげない。本田のパスの受け手は、後方から上がってくるDFデシーリオに限定された。

 35分、本田は枠外からムンタリにミドルシュートを狙わせた。攻めあぐねたミランの中距離シュート多用は、前線のカルテットが機能していないと自ら告白したも同然だった。

 66分には個人技のドリブルで打開しようとしたが、トリノのDFたちは6分のオフサイド以降、本田を経由する流れから目を離さず、ルーズボールを決して逃さなかった。ミランの攻め手はあらゆる場所で弾き返され、本田は右サイドへ張りついたままの時間が増えていった。

 前後にも左右にも伸びきったカルテットは、金星と火星の距離でバラバラだった。

 こうなると、実戦采配4戦目のセードルフ監督に打てる手は少ない。

 89分、第4審判の電光ボードに赤く「10」が点灯した。雨に打たれながら、本田は渋い表情でベンチに下がる。

 ミランは本田の代わりにFWペターニャを入れての、4-2-4のパワープレーに出たが得点機は作れなかった。

 本田が交代した2分後、カカがゴール正面のFKを右上に大きく外した。宙に消えたボールは、すでにベンチに腰掛けていた10番の目にどう映っただろうか。

攻撃陣の不調と、改善の気配が無い穴だらけの守備陣。

 ミランが抱える問題は、カルテットだけではない。

 18分の失点の場面をOBコスタクルタは試合後、手厳しく批判した。ミランの守備陣は高速カウンターへの脆さをさらけ出し、トリノFWインモービレに今季11ゴール目を許した。

「(守備側から見て)右サイドから来たインモービレと一対一になったとき、CBボネーラは内のコースを切ろうとして転倒した。あの攻防で潰すべきは完全に外のコースだった」

 後半早々、CBラミがインターセプトからミドルシュートを自ら決めて同点にはしたが、左SBエマヌエルソンの守備能力が劇的に向上したわけではないし、ボネーラの凡ミスが帳消しになったわけでもない。

【次ページ】 現役時代のセードルフは、笑顔を欠かさなかったが……。

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