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ソチで初採用のスキーハーフパイプ。
転向に現役復帰、2人の個性派女子。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAFLO

posted2014/02/03 10:40

ソチで初採用のスキーハーフパイプ。転向に現役復帰、2人の個性派女子。<Number Web> photograph by AFLO

新種目のフリースタイル・スキーハーフパイプ。活躍が期待される小野塚彩那(左)と三星マナミ。

五輪での正式採用を知り、現役復帰を決意した三星。

 もう一人の代表は30歳の三星(みつぼし)マナミである。引退を経て復帰し、代表をつかんだ選手だ。

 大学を卒業したあと、表現できるというところに魅力を見出してハーフパイプに打ち込んできた三星は、'09年、猪苗代で行なわれた世界選手権に出場後、一度は引退する。日本での大舞台を経験したことで、これ以上やれることはないという思いがあった。

 その後、やはりハーフパイプの選手だった夫の上野雄大氏との間に一児をもうけ、野沢温泉村のスキーショップで夫とともに働きつつ、家事や育児などに勤しむ生活を送っていた。

 復帰の転機はやはり、ハーフパイプのソチ五輪での正式採用への動きだった。そのニュースを知った時、心が動いたという。家族の賛同を得ると、すぐに現役に復帰した。昨年3月、小野塚が銅メダルを獲得した世界選手権で4位と好成績をあげ、1月のワールドカップでは5位。代表選考基準をクリアし、ソチ五輪日本代表に選出された。

小野塚と三星、2人に共通する競技への思い。

 それぞれにソチへの切符をつかんだ2人だが、共通して抱く思いがある。

 小野塚はこうコメントしている。

「打ち込んできた競技だから、もっと知ってほしい」

 一方の三星も、このように抱負を語った。

「最高の舞台で、これがHP(ハーフパイプ)だと多くの人に知らせたい」

 まだまだ競技の基盤も弱いし、認知度も決して高くない。だからこそ、オリンピックは注目してもらう好機となる。そのためには結果を残すしかない。

 小野塚と三星は、そんな思いとともにソチに向かう。

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