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内田篤人「俺は“つなぎたい派”」
チーム1の出場数とタッチ数の意味。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byBongarts/Getty Images
posted2014/01/30 10:50
攻守に奮闘し、後半36分までプレーした内田。だが、前半37分に警告を受けたため、残念ながら次戦は累積警告で出場することができない。
第18節、ウインターブレイクが明けたブンデスリーガが再開した。1月26日の日曜日に試合を行なったシャルケは、アウェーでハンブルガーSV(HSV)3-0を下して幸先の良いスタートを切った。
負傷が癒えたばかりのフンテラールは、キャプテンマークを巻いてスタメンに名をつらね、先制ゴールを決めた。そしてそのゴール以上に、前線での安定したポストプレーでチームを助けていた。内田篤人も試合後に話している。
「俺もクリアっぽいボールを試合中に何回か蹴るんだけど、あれを普通に、(相手選手に)身体をぶつけて収めてくれる。それで、マイボールにして、ファルファンとかに落として、前を向ける。やっぱり、すごいな。(周りの選手は)楽だし、時間も出来るし」
さらに、スタメンの中で最も長くチームに在籍するファルファンが1ゴール、2アシストの大活躍。5位に上がっただけではなく、CL出場圏内との勝ち点差を一気に縮めたことで試合後のファンは喜びを隠せなかった。
ネガティブな状況だった前半戦のシャルケ。
というのも、最近のシャルケにはネガティブな材料がそろっていたからだ。
復帰したフンテラール以外にも怪我人が続出していた。チームのキャプテンであるヘベデスは怪我明けのため、この試合はベンチから外れていたし、アオゴとヘーガーは膝の前十字靱帯を痛めて長期離脱中。1月にバイエルンからレンタルでやってきたキルヒホフも、ウインターブレイク中にいきなり右足首を痛めて戦列を離れてしまった。
順位表に目を向けてもそうだ。前半戦を終えた時点でリーグでは7位に沈み、昨年12月3日のドイツカップではホームでホッフェンハイムに1-3で敗れていた。この試合をVIP席で見ていたテンニース会長は、ホームゲームとは思えない不甲斐ない戦いをしたチームに腹を立てて、試合終了を待たずにスタジアムを後にしている。
ケラー監督の去就についても、昨シーズン末にはブレーメンを離れたシャーフ監督など、後任人事がメディアの話題となる日が続いていた。CLのグループステージ最終節でバーゼルに勝って、出場した3大会連続で決勝トーナメントに進んだことでケラー監督の首はつながったが、CLがなければチームを追われていたはずだ。