欧州サムライ戦記BACK NUMBER
セードルフが目指すサッカーとは?
カカはできず、本田にはできるプレー。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2014/01/24 11:20
ウディネーゼ戦で後半37分から出場するも、2分でイエローカードを出された本田。過密日程のせいか、万全のコンディションではまだプレーできていないようだ。
交代の時、ゴール裏から起こった「ホンダ」コール。
本田が交代出場するとき、ピッチを去るノチェリーノに大きなブーイングが浴びせられたのに対して、ゴール裏からは「アーレー、アレ、アレ、アレ、ホンダ、ホンダ」というコールが起こった。メディアよりも先に、サポーターの方が直感的に新たな可能性のニオイを嗅ぎ取っているのかもしれない。
そう言えば、CSKAモスクワでの最後の試合を終えたとき、本田はこう言っていた。
「サッカーはひとりでは勝てないんですよ。その前提を踏まえたうえで、個を追求すると同時に、いかに自分の存在によってチームを機能させられるか。そういう作業って、ピッチ内よりも、ピッチ外の方が大事。そのへんはサッカー選手の枠を超えて、いろんなことを次のクラブでもやっていきたい」
ひとりでチームを救うことはできない。だが、まわりを巻き込んでチームを変える不思議な力を、すでにCSKAで証明した。
試合だけでなく、日々の練習、クラブハウスで過ごすプライベートの時間、すべてが勝負になる。