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落合大減俸とポスティング問題。
今オフ2大騒動の本音とタテマエ。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/12/19 10:30

落合大減俸とポスティング問題。今オフ2大騒動の本音とタテマエ。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

大鉈を振るった落合GM。常々「プロ野球は契約社会」と語っていたが、監督時代の面倒見のよさとは全く異なる顔を見せた。

高まる年俸に、中堅選手が消える“空洞化現象”。

 中日の年俸削減はFA制度導入後のプロ野球のあり方も示していて興味深い。年俸総額を抑えるためチームには一流の高年俸選手と、若い低年俸選手ばかりが多くなり、年齢的にも年俸的にも中間的な位置にいる中堅選手がいなくなる――この“空洞化”現象を予想する声はFA制度導入後しばらく多かったが、それを現実のものとして近年の中日はしっかり見せつけた。ここで、昨シーズン前の中日と巨人の年齢構成をくらべてみよう。

         中日 巨人
40歳以上…… 4人  2人
35~39歳…… 8人  5人
30~34歳……10人 18人
25~29歳……22人 16人
19~24歳……18人 22人

 中日の35歳以上がえらく目立つ。巨人は40歳以上の小笠原道大と谷佳知がチームを出たので来季は40歳以上の選手がいなくなり、中日は山崎武司の引退があっても巨人を出た小笠原の加入と岩瀬の繰り上がりもあり5人体制で臨むことになる(山本昌、谷繁元信、和田一浩、岩瀬、小笠原)。これだけの高年齢チームは記憶にない。

昨年の中日の人件費は、巨人に次いで2位と高額。

 選手が高齢化しているのでチームの総年俸は当然高い。昨年の年俸上位5球団がどういう顔ぶれか、総年俸額とともに紹介しよう(以下、労組日本プロ野球選手会の調査。外国人と育成選手は含まない)

1位 巨人………………38億1610万円
2位 中日………………31億7080万円
3位 ソフトバンク………24億4950万円
4位 阪神………………23億5500万円
5位 日本ハム…………21億8700万円

 金満と揶揄されることの多い1位巨人とは6億円余りの差で、潤沢な資金力で知られるソフトバンクを7億円以上引き離しての2位は私には意外である。ここから約8億円削減しても昨年レベルで4位阪神といい勝負なのだから、昨年の中日の人件費がどれだけ高かったかがわかる。この高年俸を招いたのが落合元監督のベテラン偏重の選手起用にあったことは否定できない。自分でまいた種は自分で摘む、落合GMが振るった大鉈はある意味、自らに向かって振り下ろされたのかもしれない。

 落合GMのコストカッターぶりは多方面から高い評価を得ていると聞くが、来季負けが込めば様子が変ってくる。黄金時代を築いた監督に対する尊敬の念が残っているから選手は年俸減額を受け入れたが、落合GMのもとでのチーム成績不振なら、「あなたにも責任があるのではないか」という不満が選手の側から出てくることは必然であるからだ。

【次ページ】 もう1つの話題のポスティングは、上限20億円に。

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