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<MotoGP・史上最年少王者の素顔> マルク・マルケス 「始まったばかりの最速神話」 

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富樫ヨーコ

富樫ヨーコYoko Togashi

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photograph byOsamu Kidachi(Grove)

posted2013/12/06 06:02

<MotoGP・史上最年少王者の素顔> マルク・マルケス 「始まったばかりの最速神話」<Number Web> photograph by Osamu Kidachi(Grove)

「スペンサー、ロッシに続く15年にひとりの逸材だ」

 メカニックとしてスペンサーと一緒に仕事をしたジェリー・バージェスにも話を聞いた。バージェスはスペンサーのあと、ワイン・ガードナー、ミック・ドゥーハン、そしてバレンティーノ・ロッシをチャンピオンに導いた名伯楽だ。

「マルクはフレディとバレンティーノに続く15年にひとりの逸材だ。絶対スピードが速いことと、マシンの挙動に対応する能力が高いという点がフレディによく似ているよ」

 中本修平はチャレンジ1年目にしてチャンピオンに輝いた、マルケスの非凡な才能について語ってくれた。

「マルクは僕らが期待した以上に学習能力が高かった。マシンを速く走らせるためのポイントを掴むのがうまい。セッティングに関しては、乗りにくい、乗りやすいというコメントはあっても基本は大雑把。たとえばダニならリヤの車高を0.5mm変えればすぐに感じとる。マルクの場合は2mm変えても関係ない。たいていの場合、乗りこなしてしまう。それからマルクは身体がものすごく丈夫だ。チャンピオンになるためにはフィジカルとメンタルの両方が強くなくてはだめ。今年、何度も激しく転倒しているけど、ラッキーなのか反射神経がいいのか大きな怪我に至らなかったからね」

マルケスの今季の戦略を語るキーワードとなる“転倒”。

 マルケスが抜群の反射神経を見せたのが第5戦イタリアGPだった。金曜のフリー走行中、300km以上のスピードで壁に激突しそうになったマルケスは、激突する直前にマシンから飛び降り、あごを強打しただけで大ケガを回避した。とっさの判断がなければ、マルケスが今年のタイトルを獲得することもなかっただろう。

「あの時は今までで一番怖かった。でももう忘れたよ。あれもひとつの経験だったね」

 何ごともなかったように語るマルケス。「僕はまだ1年目、何事も良い経験だ」と事あるごとに発言してきたが、さすがにムジェロのクラッシュは“良い経験”ではなかったようだ。“転倒”は今季のマルケスの戦略を語るキーワードでもある。彼のウィークエンドの手順の進め方には大きな特徴があった。

フリー走行や予選ではアグレッシブすぎるように見えるマルケスのスタイル。
しかしそれは本番のレースで勝利するために編み出したものだった。
レース中やピット内では“ダークサイド”を垣間見せる20歳の天才ライダー。
彼の二面性はかつてのロッシのような強さ、人気へとつながっている――。
つづきは、雑誌「Number」842号、もしくはNumberモバイルでお読みください。
W杯出場32カ国を格付する。~WORLD CUP BRAZIL 2014~
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