リーガ・エスパニョーラの愉楽BACK NUMBER
“クラブを超えた存在”にあらず!!
胸スポンサーを巡るバルサの騒動。
text by
中嶋亨Toru Nakajima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2011/01/02 08:00
全世界14万人の“ソシオ”と呼ばれる会員の会費で運営されていたバルセロナ。ユニフォームの後ろ襟にある「MES QUE UN CLUB(クラブを超えた存在)」という言葉も消えるのか?
ロセイは自らの利益のためにバルサを利用している!?
ウズベキスタンではなくカタールを選んだ理由を聞かれたロセイは、「迷う必要はなかった。カタールは我々をより理解し、素晴らしいサポートを約束してくれたのだから」と語っている。
これも取りようによっては、「カタールには自分の会社もバルサのユニフォームも買い取るのに不自由しない金がある」と取れる。ロセイの会社を買い取ったカタールの企業がバルセロナに出資するQATAR SPORTS INVESTMENTSかどうかは明かされていない。しかし、カタールはロセイ個人にとって都合の良い商売相手であり、ロセイはバルサを利用して自らが得をしたのではないかという印象はどうしても拭い去れない。
いずれにせよ、バルセロナは100年以上も守り続けた伝統を手放し、彼らのユニフォームにはカタルーニャとは一切関係のないロゴが入ることになる。なお、バルセロナはユニセフとの関係も絶つことなく、ユニセフのロゴもユニフォームに付け続けることを発表している。
長きに渡りシンプルだったバルセロナのユニフォームは一転、賑やかになりそうだ。