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賭けに勝った松坂、来季もメジャーへ。
野茂、グッデンという「16番」の系譜。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2013/10/13 08:01

賭けに勝った松坂、来季もメジャーへ。野茂、グッデンという「16番」の系譜。<Number Web> photograph by Getty Images

かつて野茂英雄やドワイト・グッデンの背負ったメッツの背番号16。果たして来シーズン、この16番が輝くシーンは見られるだろうか。

チーム状況、水面下の交渉……。そろったピース。

 契約解除の2日後に、松坂はメッツとメジャー契約を結んだ。これだけ短期間で移籍先が見つかったということは、すでにメッツとの間で水面下の交渉が行なわれていたことは間違いないだろう。

 さらに、松坂にとって幸運だったのが、今シーズンのメッツは先発投手陣が故障のため次々と戦線を離脱し、マイナーからも穴埋めできる投手がいない状況にあったことだ。

 チームはすでに優勝争いから撤退しており、首脳陣もそれほど結果を気にせずに、松坂にシーズンの最後まで投げさせられる下地が整っていたのだ。

 まさに偶然の重なりでメッツへと導かれていった松坂。これは彼の持つ“運命力”なのかもしれない。

 松坂の今回の選択は、今後のメジャー人生を左右する賭けでもあった。

 メジャーのマウンドに戻りたいという松坂の強い思いとは裏腹に、与えられたわずかな期間で結果を残すことができなければ、来シーズンはどのチームからもメジャーどころか、マイナー契約すら提示されない、そんな可能性すらあった。

 そうなればメジャー復帰はほぼ絶望的になっていただろう(とはいえ、あのままインディアンスに残りマイナーでシーズンを終わっていても、来シーズンの契約獲得は難しかったように思う)。

賭けに勝ち、来季の契約も勝ち取りそうな松坂。

 そして松坂はその賭けに勝った。

 すでに自らの契約延長が決まったテリー・コリンズ監督は再契約に前向きな発言をしている。

 加えて、今シーズンのエース的存在だったマット・ハービー投手がシーズン終了後に、部分断裂していた右ヒジについて松坂と同じ腱移植手術(いわゆるトミー・ジョン手術)を受けると発表。すでに来シーズンの復帰が絶望となった。松坂と再契約し、キャンプで先発枠を競わせる可能性がさらに高まったといえる。

 だが現在の松坂にも不安要素がないわけではない。

 まずはその投球スタイルだ。

 今シーズンの松坂の真っ直ぐには、かつての球速はなく、その分、カーブを多投するなど緩急を意識した投球に変貌していた。

【次ページ】 変化球頼りの投球は、少しのミスが命取り。

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