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オルフェとキズナ、史上最強の日本勢。
凱旋門賞、陣営が見せる自信の根拠。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPanoramiC/AFLO
posted2013/10/04 10:30
オルフェーヴルは前哨戦のフォア賞で他馬を一瞬で突き放し、騎乗のスミヨンが後ろを振り返るほどの余裕だった。
日本勢のワンツーフィニッシュも期待できる根拠。
主要な3つのトライアル――フォワ賞、ニエル賞、ヴェルメイユ賞(牝馬限定GI。今年の勝ち馬はトレヴ)のうち2つを日本馬が制し、凱旋門賞本番を迎えるのは、もちろん史上初めてのことだ。
今にも掛かりそうな危なっかしさがありながら、瞬時に他馬を置き去りにする驚異的な末脚を持つオルフェーヴル。
折り合い面にはまったく不安はないが、ややエンジンのかかりが遅く、そのかわり、ゴールまでずっと加速しつづけるキズナ。
タイプが異なるだけに、どちらかに不利な流れになれば別の一頭に有利になるとも考えられる。また、これだけ能力の高い2頭なら、ワンツーフィニッシュも期待できる。
'69年に、「ミスター競馬」野平祐二の手綱でスピードシンボリが挑戦して着外に終わって以来、半世紀近くも日本のホースマンにとって悲願のタイトルとなっている凱旋門賞。
世界最高峰の頂きは近いはずだ。
決戦の火ぶたは、10月6日夕刻、日本時間の同日深夜、切られる。