今の長友はまさに“機を見るに敏”。

　ジョナタンの交代に伴い、長友は右へポジションを移動する。44分には、なおも攻め続けるチームを象徴するように、右サイドからファーサイドのゴール左上隅を狙って果敢に左足シュートを放った。

　ロスタイムを凌ぎきり、リーグ戦4勝目を挙げたインテルは、首位こそ開幕5連勝のローマに譲るものの、王者ユベントスやナポリと並ぶ2位グループにピタリとつけた。

　5試合の失点はわずか2でリーグ2位、15得点はリーグトップだ。

　試合後、追撃の同点弾を決めたMFカンビアッソは「フィオレンティーナは素晴らしかった。ただし、70分間だけだ。彼らのリズムが最後までもたないのはわかっていた」と試合運びの妙を誇り、大御所OBベルゴミは「相手リードにも焦ることなく、試合の終盤に勝負を持ち込み見事勝利した。このインテルは真の『チーム』になりつつある」と、今季の後輩たちの変貌ぶりに感嘆の声を上げた。

　高確率でゴールに絡む今の長友を見ていると、“機を見るに敏”という言葉がピタリとはまる。シーズン序盤のチーム躍進の象徴であるMFアルバレスや右サイドの相棒ジョナタンとともに、不動のスタメンとして攻撃面の進化を続ける長友は、間違いなくインテルの中心にある。

　10月の日本代表欧州遠征が迫る。指揮官の指導法も、プレーポジションも異なれど、長友が代表に持ち込むべきは今の勢いだ。