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163億円補強でチームを大改造。
進撃のナポリがセリエを席巻す。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2013/08/01 10:31

163億円補強でチームを大改造。進撃のナポリがセリエを席巻す。<Number Web> photograph by AFLO

ナポリ新監督就任会見を行なうラファエル・ベニテス。2010年にインテルを率いて以来のセリエA復帰となる。

 今、どこよりも開幕を待ちきれないのは、怒涛の巨大補強を進めるナポリだろう。派手好みのデラウレンティス会長は、昨季の得点王カバーニをパリSGに売却して得た6450万ユーロ(約84億円)を元手に、自身のツイッター上で強気な構想をぶち上げた。

「今年の夏は、補強に1億2450万ユーロ(=163億円)をつぎ込む!」

 桁違いの額に10万人を超えるフォロワーだけでなく、近年縮小傾向にあったイタリア移籍市場全体が色めき立った。同会長は宣言通り、次々に大物選手たちとの契約に奔走した。

 本格派ストライカーだったカバーニの後釜として、レアル・マドリーからFWイグアインを獲得し、同じくレアルの主力だったMFカジェホンとDFアルビオルも引き抜いた。この“マドリー3人衆”獲得だけで合計5900万ユーロを投じたが、加えてベルギー代表FWメルテンス(PSV)を1000万ユーロで、ブラジル代表GKラファエウもサントスから500万ユーロで獲得している。

 いずれ劣らぬ即スタメン級の猛者たちが、ナポリを目指して続々と集結する中、リバプールの守護神を長く務めてきたスペイン代表GKレイナまで加わった。

 2位を得た前年のチームは、新戦力と組み合わされ、さらなるスケールアップを果たしただけでなく、プレースタイルも大きく路線変更した。新監督ラファエル・ベニテスが進めるチーム改造によって、新シーズンのナポリは、長く慣れ親しんだ「3-5-2」から「4-2-3-1」へとシフトする。

ビール付きピザ・パーティに、渓流下り。

 ベニテスは、プレシーズンキャンプの恒例だった森林でのクロスカントリーや走りこみより、ボールを使ったトレーニングを重視した。これまでカバーニ頼みだったセットプレーの精度を高める練習が行われ、より実戦に近いメソッドが取り入れられた。

 新チームのまとめ役には、6年前のA昇格以来、身を粉にして働いてきた攻撃的MFハムシクを指名。サッカー界のレジェンドになったかつての教え子たちを引き合いに出し「ジェラードやランパードのレベルになれる」と、さらなる成長を促す。

 一方で、4バックへの移行によりレギュラー安泰とはいえなくなった主将カンナバーロには、「プロならポジション争いのために闘え」と危機感を持つよう呼びかけた。

 キャンプ中には食事制限が課されたが、息抜きのためのビール付きピザ・パーティを禁止するほど新監督は野暮ではない。チームの一体感を高めるため、練習の一環として渓流下りを取り入れたのも、ベニテスのアイデアだ。インテル時代に薫陶を受けたFWパンデフは、ベニテスの指導にあらためて感銘を受け「このチームはもっと強くなる」と確信を抱く。

【次ページ】 チームの尊敬を集める“ドン・ラフェ”。

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