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原監督は落合監督のお株を奪うべし!
苦手・中日に巨人が勝つ方法とは?
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byHideki Sugiyama
posted2010/10/18 12:05
セ・リーグのクライマックスシリーズファーストステージで、3位の巨人が2位の阪神に連勝しファイナルステージへコマを進めることができたのは、積極的な起用で相手の意表を突いたからだった。
シーズンと変わらぬ打線と継投の阪神に対し、巨人は松本哲也ではなく亀井義行を2番に置き打線を再構築。投手は初戦の2番手に本来先発のゴンザレスを投入し、2戦目も先発が予想されていた内海哲也ではなく朝井秀樹を立て、その朝井が初回に2点を奪われると早々に諦め、ローテーションの一角であるグライシンガーをマウンドへ送った。
個々の結果を見れば、ゴンザレス以外は原辰徳監督の期待に応えたとは言い難いが、それでもチームは勝った。
失敗を恐れず出せる戦力は惜しげもなく出す。先の戦いでの巨人には、それが如実に表れていた。
ただ、1位・中日とのファイナルステージでもこのような起用で勝てるかといえば、正直、イエスとは言いづらい。
巨人にとって不利な条件が多いからだ。
巨人がナゴヤドームで勝てないシンプルな理由。
まず、中日にはアドバンテージの1勝があらかじめ与えられている。そしてなにより、今年の巨人はナゴヤドームが大の苦手。シーズン2勝10敗。目下9連敗中と、相性の悪さを露呈している。
なぜ、これほどまでナゴヤドームで勝てないのか? 以前、ある中日OBにその理由を尋ねたことがあるのだが、返ってきた答えはこうだった。
「巨人の選手の動きを見ていても、東京ドームでプレーしているのと全く同じ、いい動きをしている。だから、はっきりとした理由を挙げるのは難しいけど……今年に関しては、苦手意識を引きずっているだけだと思う」
実際にその通りだと感じる。
過去5年間で、巨人がナゴヤドームで極端に負け越しているのは今年だけ。'06年から'09年までの4年間の通算対戦成績は22勝25敗と、アウェーとしてはいいほうだ。
さらに、ナゴヤドームでの防御率は3.95とこちらも悪くはない。
過去5年間を振り返っても4点台だったのは'06年のみと、投手陣は安定している。
この投手力こそ、巨人が中日を叩く重要なカギとなるだろう。なかでもリリーフ陣がポイントとなってくる。